2017年2月7日火曜日

靴の水洗い、クリーニング!!

皆様こんにちは!!

杉並区、上井草の靴とバッグの修理店doekです!!
最寄りの駅は、西武新宿線の井荻駅になります。

10時から20時までの営業、水曜日のみ定休日をいただいております。

遠方のお客様は、配送でのお修理も承っております。
写真をメールに添付して、送っていただければお見積りも出せますので、お気軽にご連絡くださいね
!!
 配送修理について→http://doekrepair.wix.com/doek#!untitled/civc



ここのところ寒かったり暖かかったり、寒暖の差が大きくて難しいですね。
2月は寒さのピークの印象がありますが、今年はどうなのでしょうか?
雪が積もるようなふりかた、しないでくれることを願うのみです。
昨年は割と雪が降った気がするので、今年はこのまま春になってほしいですね(笑)。


さてさて。
そんなわけで、今日も絶好調に、当店寒いですが、お修理のご紹介!!


こちら!!

 外ばねのストレートチップになりますね!!
こちらの靴どうなってしまったかというと・・・




 写真が逆さまになってしまいましたが、つま先からサイドにかけてモヤモヤと染みになっているのがお分かりになりますでしょうか?
お話を伺ったところ、雪の中で履いてしまい、シミが出来てしまったとのこと。
それならばいつも通り、水洗いで綺麗になりますよ!!と、いつも通り張り切ってご説明していたところ・・・
 靴全体にある、この縦じま、実はこれも元々はなかったとのこと。
雪でシミになってしまい、乾かしたら、縞になってしまった・・・え!??
私、てっきり製品段階の手染めの縞かと思っていたので、驚いてしまいました。
正直なところ、再度のモヤモヤっとしたシミは落とせるのではと思ったものの、この縞は難易度が高そうです。

ま、どちらにしても、まずは洗ってからだな、ということで・・・
 とりあえず、水道でダイレクトに濡らしていきます。

で、革用の石鹸「サドルソープ」で、全体を泡立てながら洗っていきます。

さて余談ですが、このサドルソープ、なんだか賛否両論あるようで。
普通の石鹸や、ハンドソープを使った方が良いなんて、話も聞いたことがあります。
なんでかというと、アルカリ濃度が高すぎたり、油分が多すぎてかえって革に悪いと。

私も実は、過剰な水洗いを含むクリーニング作業自体あまりお勧めしておりません。

ただ、必要に応じて、使い方を間違わなければ概ね問題ないというか、サドルソープ自体ベターな選択肢なのではないかと考えております。

例えば、月に一回水洗い!!こうなると、もうサドルソープの問題ではなく、何度も何度も水を入れる事自体、革にダメージが残りますし、あまり良いことには思えません。
通常の靴クリームでのケアを基本にして、どうにもならない染みや、白い塩が出た時に使うといったイメージで良いのではないでしょうか?
私の私物に関しても、10足以上靴はありますが、まともに洗ったことがるのは3足程度、それ以外は、あえて水洗いをしたことはありません。
その程度のイメージで、とらえていただければと思います。


で、話は戻り。

 こんな感じで、十分に水で泡立てて、優しく洗っていきます。
水で薄まっていれば、革に悪いことないと思うんですけどね・・・。

で、この泡をざっと流してみると・・・
 つま先の部分、水が染み込んでいないのが、お分かりになるかと思います。
こういう、水が染みた部分と、染みない部分の差が出来てしまうのが、シミの原因になるので、思い切って全体に水を染み込ませていきますj。
 こんな感じで、キッチンペーパーで巻いて、そのまま濡らして、パック状態にして、しっかり全体に水を染み込ませます。
 そうすると、こんな感じ。
全体にしっかり水が染みこみ、色が濃くなったのがわかるかと思います。

そして、再度しっかり泡立てて全体を洗います。
 で、先ほどのキッチンペーパーで泡を拭き取ります。
 新しいタオルでも良いのですが、もったいないですからね(笑)。
で、あわを完全に洗い流すのではなく、ふき取る程度にしておいた方が、良いそうです。
ガッツリ流すと、必要な油分が流れてしまい、固くなる原因になります。

で、そのまま一晩放置。
・・・この段階で、縞々がなくなっていない恐怖。
乾いたら、すっきりなくなっていると信じて、店を後にします。
 翌朝。
・・・知ってた。
 サイドのシミは概ね取れましたが、縞々は残っていますね(笑)。

 ひょっとして上の方は・・・
 はい。
残念ながら、しましまです。
で、このあともう一度洗って、一晩乾かし、ほとんど状態は変わらなかったので、次の手段に出ました。

全体を溶剤で拭いてみる。
要するにシンナーですね。
ですが、このしましまなくならず、最終的には全体を、メラミンスポンジで軽くこすっていきました。
いわゆる激落ち君ですね。
これはほんとに軽く、あまり強力にこすると、表面が荒れる恐れがあります。
とはいえ、普段使っている紙やすりに比べれば、だいぶ優しいので、メラミンスポンジにシンナーを垂らして、こすっていきました。
方法としては、そこそこ危険性を伴います。
ご自宅でチャレンジする際は、なるべく優しくお願いいたします(笑)。

で、この時の写真を撮り忘れたのが悔やまれるのですが、その後靴クリームでしあげなおしていきました。
 それでもまだ、若干の縞は残りますね・・・。
 で、最終的な仕上がりが、こちら。
だいぶ違和感が少なく馴染ませられたかと思うのですが、いかがでしょうか?
 サイドのシミはほぼわからなくなりました。

こちらのお修理、3240円、いただいております。
何度か洗うことになるため、1週間程度いただきます。

また、基本靴の中はジャブジャブ洗うことはしませんので、ご了解ください。
水ぶきと除菌剤が基本となります。 

まだまだ、想像超える修理がやってきて、勉強してばかりです。
どうしたらよいか、わからないものなども、お気軽にご相談くださいね。
試行錯誤しながらですが、出来る限り綺麗に仕上げようと心がけております!!

それでは皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております。

2017年2月5日日曜日

ジョージコックスのマッドガード交換!!

皆様こんにちは!!

杉並区、上井草の靴とバッグの修理店doekです!!
最寄りの駅は、西武新宿線の井荻駅になります。

10時から20時までの営業、水曜日のみ定休日をいただいております。

遠方のお客様は、配送でのお修理も承っております。
写真をメールに添付して、送っていただければお見積りも出せますので、お気軽にご連絡くださいね
!!
 配送修理について→http://doekrepair.wix.com/doek#!untitled/civc



さて。
寒いのに花粉がきつい。
なかなかダブルパンチですね!!
暖かくても寒くても、飛ぶものは飛ぶんですよね、きっと。
最近、口の中の上が痒くて、寝不足になる勢いです(笑)。 
さて、そんなこんなで、不完全な体調で頑張っておりますが・・・

ありがたいことに、また丸井様の運営するサイト、『アシノコト』にコラムを掲載していただきました。
皆様、ぜひご一読くださいね!!
読まないまでもポチッと押してみてください。
 https://shoeslabo.0101.co.jp/article/foot-leg/shoe-care-repair-storage/30462/
うそです、ぜひ読んでくださいね(笑)。


というわけで、早いもので二月!
もう2017年の一月は終わってしまいました。
今月も頑張っていくので、宜しくお願い致します。

今日はこちら!
 ジョージコックスのスウェードギブソンでよろしいでしょうか?
特徴的な甲の編み込みが印象的ですよね。
で、もう一つジョージコックスといえば、分厚いラバーソール。
 ブローセル・クリーパーなんていう名前があるそうです。
なんでも、ラバーソールを初めて取り付けたのが、1906年創業のジョージコックス社。
足音のしない靴という意味があるそうです。

ところが今回はそちらが・・・
かかと部分はすり減り・・・
つま先はこんな感じで回りに巻いてある、『マッドガード』なんて言われるゴムが、破損してしまいました。

そこで、今回はこの靴底を直していきます。
まずは、この周りの摩耗してしまった、マッドガードをはがしていきます。

が、ニッパーで引っ張っても、天然クレープ素材のマッドガードがちぎれるだけで、剝がすことが出来ません。
そんな時は・・・
グラインダーで削り落としていきます。
過剰に削らないように、慎重に削っていきます。


で、削り終えると、こんな感じ。
なぜか天然クレープ素材の上のミッドソール部分は、左右色の違うスポンジ素材でした。
おそらく軽量化の目的があるのはわかりますが、色が違うのはちょっとわかりません(笑)。

で、今回は、マッドガードを取り除いた状態で、かかと部分とつま先のすり減りを補修します。
いつものコーナー修理の要領で、かかと部分をつぎ足します。
ちなみにマッドガードは黒い天然クレープでしたが、本底にあたる部分は黄色い天然クレープでした。

で、つま先も、すり減りを足してから、周りに一周新しい、マッドガードを巻いていきます。
ちょっと黒いのでわかりづらいですが、黒のベルト状のものが、今回用意した天然クレープのマッドガードになります。
もちろん、接着剤がしっかり塗ってあります。

で、こちらをできる限りしっかり圧着して、余った部分を削り落としていきます。
こんな感じで、靴底を平らに仕上げます。
圧着に関しては、靴の横になるということで、圧着機に入れることもできないので、ハンマーを使ってできる限りしっかり接着しました。
そして、そのままではマッドガードも、やや厚すぎたので、全体に周りを削り込み、形を整えました。

そうすると・・・
こんな感じ!
つま先、かかととも高さを戻してから、周りに巻いているので、新品に近い形で仕上がります!
底面からみるとこんな感じ。
かかととつま先、継ぎ足した部分がわかるかと思います。
ただ、同じ天然クレープを使用していますし、歩いていたら、まずわからないのではないかと思います!

これで、またがっちり歩いていただくことが、できるかと思います!!

こちらのお修理、かかと継ぎ足し1944円。
つま先補修、1296円。
マッドガード交換5400円。
合計8640円いただきました。

期間は2週間程度いただきます。


天然クレープのソールは直さないというお修理屋さんも散見いたしますが、当店天然クレープも、もちろんお直し可能です!
是非お気軽にご相談くださいね!
それでは、皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!