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言わずと知れた、オールデン。
革靴好きなら外せませんね。
1884年に設立されたアメリカ合衆国マサチューセッツ州ミドルボローに拠点を置く革靴ブランドになります。
コードバンのイメージが強いですよね。
私が靴修理を始めたころは、ローファーが…8万円くらだったでしょうか?今では恐らく倍以上になっているかと思います。
怖いですね、物価高。
円安も影響しているのかと思います。
さて、うっかり暗い話になってしまいそうでしたが、今回は…
この紐を通す、羽根部分の裏側。
こちらが、革に穴を開けただけの状態になっております。
もちろん、表の革と裏のベージュの革の間に芯材は入っているのですが、とはいえ紐を通すとダイレクトに革に負担がかかるような仕様に。
そこで今回はここにハトメを取り付けていきます。
表のデザインを変えるわけにはいかないので、まずは表の黒い革と裏のベージュの革を剥がします。
縫っている糸を切って、開く感じですね。
【裏ハトメ】なんて呼ばれる、専用のハトメがございます。
こちらをこんな風に裏のベージュの革に通していきます。
一目瞭然ですね、金属のハトメが着くとこんな感じになります。
これを、革の裏側から専用の打ち具で打って潰して、取れないようにしていきます。
こんな感じで、表の革に傷をつけないように慎重にベージュの革の裏側から打ちます。
これで、靴紐と負った時直接紐と裏の革が擦れることが無くなります。
こちら側は縫い合わせてしまうと見えなくなる部分ですね。
後は元のミシンの穴を追いながら表の革と裏の革を縫い合わせていきます。
一目一目慎重に。
とはいえ、正直なところ表の革はほぼ100%…一応99%ずれずに縫うことが出来るのですが、裏側はどうしても目視で確認できないためずれてしまう場合があります。
恐れ入りますが、こちらはご了承いただいてからの受付になります。
赤く丸で囲った部部分、元の穴とずれてやや内側を縫ってしまっております。
もちろん、ずれないに越したことはないのですが、ずれる場合は極力内側にずれるように貼りこんでから縫うようにしております。
ミシンがベージュの革から外れて落ちてしまうのだけはどうしても避けたいからになります。
一目落ちたからと言って、使うにあたり不具合が出るかと言ったら、そんなことはないのですが、少なくともちゃんと縫い付けられるように、ずれるならやや内側にずれるよう心掛けております。
出来上がるとこんな感じですね、裏側にハトメを取り付けることが出来ました。
基本的には履いてしまえば完全に見えない場所になります。
とはいえ、最初にハトメを通しておくと補強にはなるかと思います。
こちらのお修理、在庫があったため1週間のお預かり、6710円いただいております。
ハトメ一か所目が550円、二か所目以降220円(23か所)で承っており、こちらは裏表を外して縫い直す工程も入るため1100円追加でいただいております。
ちなみにこちらのお修理、羽根部分を今回のようにめくることが出来る、外羽根タイプの靴でないと作業が出来ません。
内羽根の靴は作業が出来ませんので、ご了解ください。
と言うわけで、今回は裏ハトメを付けていきました。
基本的には裏側にハトメが着いているかどうか、知らずに靴を履いている方がほとんどかと思います。
気になったらご自身の靴も、羽根の裏を見てみてくださいね。
新たな視点になるかもしれません。
それでは皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!