こんにちは!
靴とバッグの修理、合鍵の店doekです!
西武新宿線、井荻駅で降りていただき、南口を出て右側に見えるお店です!
みずほ銀行さまのATM、センチュリー21さま、当店doek、東京三菱UFJ銀行さまのATMという並びになっております。
水曜定休、10時から20時までの営業となっております。
お気軽にご来店ください。
遠方にお住まいの方は、配送でのお修理も承っております。
メールでのお見積りも承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
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靴とバッグの修理店doek
さてさて、早いものでもう1月が終わりに近づいております。
心機一転しやすい1月、前半は頑張ってブログを更新しておりましたが、すでにペースが落ち始、反省しております(笑)。
余談?ですが。
こんなおもちゃ?買いました(笑)。
レッドウイングの公式ミニチュアですね!
ケア用品や靴箱も、クオリティが高いです!
しばらく?店頭に飾っておりますので、気になる人はご覧になってください。
非売品です(笑)。
さて、そんなわけで、寒い日が続きますが、今日も元気にお修理のご紹介。
こちら!!
カジュアルな感じの短靴になります。
とはいえ、かなりしっかり、グッドイヤーウェルテッド製法で作りこまれております。
で、こちらが…
こんな感じで、縫い付けてあるミッドソールに貼り付けてあった靴底が、剥がれてしまいました。今回はこちらを接着していきます。
個人的には「接着」非常に難しい工程だと、私、考えております。
が、この「接着」一般のほとんどの方が、比較的簡単な修理と思いがちかと思います。
そこで、今日はこちらを、ご説明していきます!
恐らく、ゴム(笑)。
だいたいゴム質なので、大きく分ければゴムで間違いないかと思います(笑)。
ですが、靴修理で使われるものですと、ウレタンや塩ビ、TRなんていわれる熱可塑性弾性体(Thermoplastic Rubber)、スポンジ系のEVA、黄色い天然ゴムなんかもありますね。
恐らく上げればきりがありません。
で、まずは素材の判別もかねて、表面の古い接着剤や汚れを削り落としていきます。
判別といっても、厳密にどのゴムになるかがわかる必要はないため、経験と勘でどのタイプの接着剤、プライマーで着きそうか検討を付けていきます。
ちなみに、硬化して、ひび割れていたり、加水分解で素材自体が劣化している場合は、そもそも接着することが出来ません。
中央がさらっと削ったものの、接着剤の成分が残っている状態。
右上の方つま先のほうが、ようやくしっかり、地が出てきている感じですね。
で、まあ、これに関してはそんなに癖のない、合成ゴムであろうと推測します。
重要なのは、どうやったら着くかなので、細かくなんて名前のゴムかを言及する必要はありません。
この段階で表面が溶けていたり、変な感じにベタベタしていたら、注意ですね。
表面が溶ける奴は大体、接着しづらいです。
で、さらに削っただけでは飽き足らず、表面をシンナーで拭きます。
アルコールとかでも良いのかなと思いつつ、シンナーで拭きます(笑)。
表面の油分等を根こそぎ取りたい気持ちの表れですね。
ゴムはそもそも、石油製品化と思うので、根こそぎ取ることは出来ないでしょうが、接着面をなるべくキレイにしておきたいです。
ちなみに、シンナーで溶けるような素材も注意が必要ですね。
接着剤にも入っている成分になるので、シンナーで溶けるような素材は、これまた接着剤が着きにくいです。
そしてもちろん、接着するもう片面もきれいにしていきます。
写真だとわかりづらいですが、こちらは細かい気泡のある、スポンジタイプだったので、まあ、十中八九EVAスポンジで間違いないかと思います。
こちらも、表面を削ってシンナーで拭いております。
糸の周りは、あまり強く削れない為、しっかり拭き取ります。
で、ゴム面、EVAスポンジ面共にプライマーを塗布します。
当店では、素材によってプライマーを使い分けるため、プライマーが3種類、接着剤は現状一種類で対応しております。
まれに使う瞬間接着剤は2種類常備しております。
で、今回使うプライマーは、5分から10分もあれば乾く、扱いやすいもので問題ないため、スムーズに作業が進みます。
接着剤に関しても、30分程度は乾燥させます。
今回のように気泡が多く、吸い込みやすいスポンジ素材や、皮革のように染み込みやすいものは、接着剤を塗布して乾燥させた後、もう一度接着剤を塗ります。
この辺りは、接着剤のコンディションなんかにもよるのですが、私は割と接着剤を薄めて使いがちなので、二度塗りすることが多いです。
接着剤を薄めると、乾燥は早いものの、ほとんど吸い込まれてしまって表面に接着剤があまり残らなかったりするので、二度塗りが必要です。
接着剤を濃いめに使うと、一度でもガッチリ乗るので良かったりするのですが、乾燥時間はやや長めにとる必要があるかと思います。
私は、薄めて塗った方が、接着剤がしっかり食いつきそうな気がするので、二度塗りの手間がかかるもののそちらを採用しております。
この辺りは、靴修理をやる人によって、微妙にやり方が違ったりします。
接着剤を塗布、こちらはほぼ染み込まないので、一度塗りで乾燥後、ヒーターで温めます。
一斗缶で作った自作簡易ヒーター。
そのうち買おうと思っていましたが、オープンから7年、問題なく使えちゃっております(笑)。
土踏まずや、ギリギリ外側の方はハンマーも使って叩いたり、押し付けたりしながら接着していきます。
乾いた接着剤通しを押し付けると、接着剤どうしがくっついて接着できる流れです。
微妙に上の写真、ずれがあるのがお分かりになりますでしょうか?
接着面がずれたというよりは、スポンジのミッドソールを圧着することで外側に膨らんだイメージです。
こちらのお修理、基本的には最短で、24時間いただければと思っております。
長々説明した通り、なるべくしっかり着けようとすると、なかなか手間がかかります。
お値段は、片足880円。
正直なところ、ややお安く設定しております(笑)。
で、ここまで説明してあれですが、「今、剥がれてしまって、すぐ直らないと困る!!」というケースあります。
上記説明は、ほぼフルコースの完全接着を目指すやり方になります。
で、最短で行く場合、プライマーは使いません。
シンナーでのふき取りは…最低限はやるかと思います。
それでもしばらく歩くには困らない程度には着いてくれます…たぶん!
両側表面を削り、接着剤塗布、20分~30分程度乾かし圧着、出来上がり!のパターンですね。
こちら、20分でいければ削るの含めて25分くらいで何とかなるかと思います。
ですが、上で紹介した塩ビや、ウレタン系の靴底だとお手上げだったりします。
つま先が少し剥がれているとかであれば、瞬間接着剤を使って最低限固定するのですが、今回のように全体剥がれてしまって、ウレタンだったりすると、なかなかどうしようもなかったりします。
その際は、諦めて1時間程度いただくか、何とかご帰宅いただいて後日お持ちいただく感じになると思います。
駅中の店舗とかであれば、逆にそういった今すぐ!というお客様も多いかと思うので、スピードに特化した接着剤と、瞬間接着剤をプライマー代わりに使う裏技?があったりします。
実際私も、独立してしばらくするまでは、スピードを速くする側に作業を振っていました。
ただ現在は、土地柄か、私の誘導のせいかわかりませんが、「今すぐ需要」があまり多くない為、極力しっかり接着する、完全接着を目指すほうで仕事をさせていただいております。
今回ご説明したやり方が正解なのではなく、基本的にはお客様のご要望にお応えするのが正解かと思います。
難しいところがありますが、当店は最速で仕上げるのは現在それほど得意ではなく、何なら二度と剥がれないのを目指しているとご理解いただければ幸いです(笑)。
というわけで、「接着」の説明が長くなりましたが、概ねこんな感じの作業を行っております。
ちなみに、すべての「接着」について、近いことを行っています。
ということは、靴にすべり止めを貼る。カカトのゴムを交換する。靴の上側のパーツが剥がれたから貼る等、接着が含まれる作業は、ほぼ上記の作業を行っております。
お時間がかかりがちなこと、ご理解いただければと思います。
そんなわけで、靴底が剥がれてしまった等ございましたら、ご遠慮なくご相談ください。
お時間は長めにいただくかと思います(笑)。
それでは、皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!