2018年2月20日火曜日

オールデン(Alden)のコードバンが、割れた!!直せるのか!??

皆様こんにちは!!
杉並区、井荻の靴とバッグの修理店doekです!!
最寄りの駅は、西武新宿線の井荻駅になります。

井荻駅南口を出ていただき、陸橋をくぐって、環八の側道沿いにございます。
ドラッグストアぱぱす、焼き鳥屋さん、当店doekとなっております。
駅から、1分足らずの距離なので、通り過ぎないようにお気を付けくださいね!!
10時から20時までの営業、水曜日のみ定休日をいただいております。

遠方のお客様は、配送でのお修理も承っております。
写真をメールに添付して、送っていただければお見積りも出せますので、お気軽にご連絡くださいね!!
 配送修理について→http://doekrepair.wix.com/doek#!untitled/civc
また、最近、集荷配達のサービスを始めております。
お修理品の数が多いときなど、お気軽にご連絡ください。


さて、早いもので二月も終盤に入りましたね。
あっという間過ぎて、怖いです!!
いろいろ、やりたいことを試したり、新しいリーフレットを作ったり、体調を崩したり、食べ過ぎて太ったり…。
ろくなことがありません(笑)!!
とはいえそれなりに、元気に頑張っております。
最低週2!!と思っていたブログの更新も、ここのところ、滞ってしまっておりました。
何とかまた、平常に戻せるように頑張りますので、引き続きよろしくお願いいたします。


というわけで、今日ご紹介するのはこちら!!
 靴の全貌を撮り忘れてしまったのですが、オールデンのコードバン、ウイングチップになります。
もう、ご紹介するまでもないですね!!
1884年からある、アメリカの靴メーカーAlden!!
なんといっても、あの独特の光沢のある、コードバンが格好良いですよね。
馬のお尻の革になります。

で、写真が暗くてちょっとわかりづらいですが、一部コードバンが三角に割れて無くなってしまっているのが、お分かりになりますでしょうか?

 フラッシュ(笑)。
小指の当たるあたりですね。
コードバン、非常に良い革なんです。
独特の風合い、ツヤ感、重厚な雰囲気。
ですが、正直なところ、牛革に比べると、耐久性という意味では若干落ちるような印象があります。
とはいえ、もちろん1年2年の話ではなく、10年単位での耐久性なので、十分に丈夫だとは思うのですが(笑)。

ヴィンテージの靴を好まれる方は、わかると思うのですが、コードバンに関しては、この写真のような割れや、ヒビ、裂けてしまうといったことが、どうしても起こりがちです。
基本的にはこういう場合は、完全に修復するは、ほぼ不可能かと思います。

で、今回は、そういったことも、ご了解いただいたうえで、少しでも補強出来ればとのことで、お周をお受け致しました。


で、まずはこの部分に補強を入れるといっても、表に革を貼るのは、よっぽどセンスがないと非常に格好悪いことになるので、まずは周りの糸をほどいていきます。
 こんな感じで、元のコードバンをこれ以上傷めないように慎重にほどいていきます。
割れてしまったとはいえ、コードバン自体に、割と厚みがあるのがお分かりになるかと思います。

で、補強を入れるにあたり、この厚みがあると、どうしても直した際の違和感が大きいので…
 こんな感じで、硝子盤を当てて、何とか傷の部分の厚みを漉いて薄くしていきます。
うっかりしたら、びりっと破きそうなので、非常に緊張感のある作業になります。

そして、今回ご用意したのがこちら。
ヌメ革の表面を、やすりで削って、ヌバック上にしたものを、三角に切りました。
 わかりにくいかと思いますが、三角の一辺にカッターでギザギザを入れております。

で、中央に穴。
 こんな感じですね。
ギザギザを入れた部分以外は、包丁を使って薄く漉いてあります。

で、これを軽く染めます。
 こんな感じ。
で、これを、コードバンの割れてしまっていたところに、はめ込みます。
さぷらーいず。
コードバンの厚みも漉いていたため、大きな段差も出ることなく、はめ込むことが出来ました。
色合いは、あとで補正していくので、明るすぎない程度で充分です。

で、ただここまでの作業は外から見た、見た目の話なので、もちろんキッチリ補強をしていきます。

で、今回用意したのが…
 三角の革ごと覆える、こんな感じの半円状の革。
これも牛のヌメ革になります。
これを周りを出来る限り薄く漉いて、段差が出ないようにした処理して、内側に仕込んでいきます。
 接着前、接着剤をしっかり乾かしてから圧着するため、こんな感じで、ほどいた部分に木のペースを挟んで乾かします。
ちなみに内側もほつれていたので、こちらも同様の作業をしていきます。

で、乾いたら、先ほどの半円状のヌメを三角の裏側にがっちり接着して、あとは元通りに縫っていきます。
 なるべく違和感のないように慎重に…

で、縫い上がるとこんな感じ。
あとはコードバンクリームで色をシッカリなじませてあげれば、OKです。
 出来上がりがこちら!!!

 どうでしょう??この角度、ほぼわかりません(笑)。

で、ちょっと角度を変えて…
 こちらからだと若干、わかりますね。
やはり完全にわからない様にというわけにはいきません。
が、頑張れたのではないかと思います!!

もちろん、見た目だけでなく、本命の補強は内側に入れた、半円状のヌメ革になります。
おそらくこれで、またしばらくしっかり履いていただくことが出来るかと思います。

こちらのお修理、4320円いただきました。
通常2週間程度のお預かりとなります。

もうダメかな???
と思っても、出来る限りは頑張るようにしております!
お気軽にご相談くださいね!
それでは、皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!