皆様こんにちは!!
杉並区、井荻の靴とバッグの修理店doekです!!
最寄りの駅は、西武新宿線の井荻駅になります。井荻駅南口を出ていただき、陸橋をくぐって、環八の側道沿いにございます。
ドラッグストアぱぱす、焼き鳥屋さん、当店doekとなっております。
駅から、1分足らずの距離なので、通り過ぎないようにお気を付けくださいね!!
10時から20時までの営業、水曜日のみ定休日をいただいております。
遠方のお客様は、配送でのお修理も承っております。
写真をメールに添付して、送っていただければお見積りも出せますので、お気軽にご連絡くださいね!!
配送修理について→http://doekrepair.wix.com/doek#!untitled/civc
また、最近、集荷配達のサービスを始めております。
お修理品の数が多いときなど、お気軽にご連絡ください。
集荷配達についてはこちら→http://doekrepair.wixsite.com/doek/blank-1さてさて、だいぶブログの更新が出来ずにおりました。
いろいろいろいろ、あったりなかったりで、コンスタントに更新できず、申し訳ございません。
お店自体は、何とか元気に営業しておりますので、皆様のご来店、いつでもお待ちしております。
ということで、お久しぶりの更新はこちら!!
オールデンのVチップになりますね!!
もう、説明不要の重厚感ですね!
コードバンで、綺麗に磨き上げられております。
で、今回は、こちらを全体的に直していきます!
靴底がまず、こんな感じ。
カカトのゴムは片方外してあります。
外してから、写真を徹底ないことに気づき、慌てて写真を撮りました(笑)。
向かって左側の靴底がかなり薄くなっており、一部切れているのがお分かりになるかと思います。
今回は、靴底もすべて、交換していきます。
で、まずはその前に、インソールを剥がし…
靴の中の汚れを出来る限り落としていきます。
皮革用の洗剤を、しっかり泡立てて、靴の中から、外まで優しくゴシゴシしていきます。
靴の中は、ダイレクトに水を入れて、ジャブジャブ。
超音波洗浄機も使い、出来る限り中底の汚れも取り除いていきます。
もちろん、外側もしっかり泡立てて、洗っていきます。
しっかり磨かれていたせいもあり、思ったよりも水が入っていかない状態でした。
コードバンは水に弱いなんて言うことをよく言います。
確かにその通りで、元々は若干起毛しているヌバック状の革の表面をつぶすことで、独特のツヤ感を出しています。
その潰されていた表面が、水が入ることにより、ヌバックに近い形に戻ってしまい、ツヤが無くなってしまいます。
この辺りが、水に弱いといわれる、原因ですね。
ですが、今回の靴のように、しっかり靴クリームで磨き込んであると、そうそう水が入っていくこともなさそうです。
もちろん、水たまりにジャブジャブ入るわけにはいきませんが、多少の雨がかかる程度なら、さっと吹いてあげれば、染み込む前に処理が出来そうです。
ですが、今回は全体に洗うので、水が染み込まないと、逆に困ります。
そこで…
濡れタオルで、ぜんたいを覆って、しっかり水を含ませます。
で、その後改めて、洗剤で洗って、水分をシッカリふき取ったのがこちら。
元よりも、かなり色が濃くなっております。
ちょっと心配なくらいでしたが、二日ほどこのまま陰干ししたら、この通り。
かなり、元に近い色に落ち着きました。
正直なところ、一安心です(笑)。
で、最低限保湿程度に磨いた後、靴底の修理に取り掛かります。
まずカカトを外すと…
お分かりになるでしょうか?これ、カカトのゴムがつく、いわゆる積み上げといわれるパーツになります。
写真向かって左側の方が厚みが厚くなっております。
靴底についていた面は、こんな感じ。
土踏まず側(写真右側)のほうが、長さも長くなっています。
積み上げ、一番上のパーツを外すと、こんな感じですね。
このパーツで、土踏まず側が若干厚くなるように調節されています。
これは、カカトを取り付けるまで、大切に?保管します。
で、靴本体のほうはというと…
靴底を外すとこんな感じでした。
シャンクといわれる金属パーツが、非常にゴツイです。
このシャンクなら、よっぽどの事が無ければ、折れることもなさそうですし、しっかり体重を支えてくれるかと思います。
で、この周りのコルクやシャンクを全て取り外したのがこちら。
スッキリですね!
リブテープなんて言われる、白い生地のテープが靴底に貼ってあり、底にアッパーやライニング、ウェルトを縫い付けてある靴が多いのですが、オールデンはテープではなく、白い生地が靴底ほぼ全面に貼ってあるような作りでした。
で、ここに新しいコルクを補充していきます。
当店では板コルクと、練りコルクを併用して使っております。
板コルクで、フラットなっ部分は埋めて、シャンク周りやリブの周りなど形が複雑な部分は、練りコルクを詰めて削ってフラットに仕上げます。
で、ここに新たな靴底を接着。
光り輝く「JR」のマーク。
Japan Railway、国鉄。
違いますよ!!国鉄ではありません(笑)。
「Joh.Rendenbach.jr」ジョー・レンデンバッハの略ですね。
いわゆるオークバーグ、樫の木のタンニンで鞣された、高級底材になります。
で、こんな感じで、つま先にゴムを当てる部分と、カカトの取り付け部分をシッカリ決め、全体の形を整えておきます。
で、縫いをかけてもらう部分を、包丁で起こし、出し縫いをかけてもらいます。
出し縫いに関しては、当店では出来ない為、外注の形で縫っていただいております。
伏せ縫いだと、縫ってあるかが写真だとわかりにくいですね。
ちゃんと縫ってありますよ(笑)。
で、革の表面を剥いていくのですが、いつものマシンでガーーーッと銀面をやすり掛けすると、せっかくのJRの箔押しが消えかねないので、包丁のエッジを使って、ロゴの周りを剥いていきます。
ガラス片で剥くことを推奨されがちなのですが、ガラス片が手元にないので、包丁で代用です。
こんな感じで、ロゴの周りだけ。
で、あとの部分はいつも通り、フィニッシャーを使って剥いていきます。
こんな感じで、ブーーーンと。
で、剥き終わるとこんな感じですね。
で、例のカカトを作成していきます。
元々のカカトの積み上げは、左右対称なので、外したカカトから、形を作っていきます。
もちろん、カカトもレンデンバッハ。
お分かりになりますでしょうか?
写真向かって左下側が、厚くなっている味噌部分ですね。
ミソです!
タケノコみたいな形ですが(笑)。
で、このタケノコを作って、積み上げに高さを出します。
こんな感じですね。
で、あとは削りこみバランスを整えて、ヒールを取り付けていきます。
こんな感じで、周りを整え、高さのバランスも元に極力近い形で仕上げます。
あとは、カカト、コバ周りを着色し、仕上げ…
全体に、お持ち込みいただいた状態に負けないように、しっかり磨き上げていきます。
靴底はこんな感じで、いわゆる半カラス仕上げにしております。
つま先部分は、ゴムを当てて強化してあるので、安心ですね!
こちらの修理、レンデンバッハのオールソール交換が、18144円。
オプション、伏せ縫いが2160円。
オプション、トゥゴムが1296円。
クリーニングが3240円となります。
1か月程度いただくかと思います。
お客様からも、やはりレンデンバッハのオークバーグは、履いていてもボサボサッしてこなく良いですね!というお言葉をいただきました。
お値段的には、正直かなりお高いお修理になってしまいますが、じっくり時間をかけて鞣された、オークバーグは繊維も締まり、やっぱり違います。
削っていても、妙なフカフカ感はないので、安心感がございます。
是非、お手持ちの靴、オールソール交換をお考えでしたら、ご検討くださいね!
それでは皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!