2021年11月16日火曜日

ALDENのコードバンの破れにパッチを。靴底も直しました!

  こんにちは!

靴とバッグの修理、合鍵の店doekです!

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水曜定休、10時から20時までの営業となっております。
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靴とバッグの修理店doek

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靴修理や合鍵作成の可否等、お写真を使ってお問い合わせいただけるとスムーズです!!


さてさて、すっかり秋らしくなりました。
年末に限らずあっという間に時間が過ぎていきますが、もう11月も半ば。
来週あたり、もう年末年始の休みに突入するのではないかと、不安になる勢いですね。
色々ありますが、年末まで何とか頑張っていきたいと思います!!


というわけで、今日ご紹介するのはこちら!!
ALDEN(オールデン)のVチップになりますね!
1884年、アメリカ、マサチューセッツ州で設立した靴ブランドになりますね。
説明の必要がないくらいの名靴になります!!
オールデンといえばコードバン、馬のお尻部分の革になります。
独特のツヤ感、シワ感が抜群に格好良いですよね。。。

で、今回はまず底面が…
こんな感じで、修理をしながら履かれているのがわかる状態でした。
ハーフラバーは部分的に擦り切れてしまっております。
よく見ると、底のコバ部分が一部隙間が空いているのがわかります。
この部分に関しては、だし縫いと言って縫ってある箇所になるので、基本的には隙間が開いてはダメな部分になります。

そこで、まずはハーフラバーを剥がします。
そうするとこんな感じ。

ちょっとわかりづらいですが、底の中央に穴が開き、周りを縫ってある糸が、切れて抜けてしまっている状態でした。

つま先も革が足してあるものの、こんな感じで擦り切れております。

今回は中央の穴を革で埋め、つま先部分も足して靴底をフラットにしていきます。
そしてフラットにした状態で、靴底を縫い直す工程となります。

まずは・・・
こんな感じでパクっと靴底をはずして、中のコルクも足して、平らに慣らします。

で、接着。
こんな感じ。
パカット開いていた部分を接着しなおしました。
カカトと前側のバランスが崩れていないか、確認しつつ進めていきます。

で、フラットになったことを確認してから、靴底を縫いなおし。
開いていた横部分だけ縫えば良いかなと思っていたのですが、最終的には靴底を剥がしたので、概ねぐるっと縫いなおしております(笑)。

そして、この縫った状態の上にハーフラバーを貼り付けて、トゥスチールを取り付けたのですが、そちらの写真が無かったので、最後の写真までお待ちいただいて…


で、次にアッパーの補修に取り掛かります。
状態はというと…
この外ばねの下部分の革が破れてしまっていたり…
甲革の縫い目のあたりが破れて、縫いなおしてある状態でした。
二重に縫って補強してあるものの、どうしても縫い目部分の周りが革が硬化してしまい、ひびが入っている状態。
ミシン目やコバから水を吸い込んで傷んでしまうのでしょうか?
勿論、屈曲する部分になるので、そのあたりも原因かと思います。
他の部分が割と柔らかさを保てているのに、羽根周りの縫い目部分が傷んでしまっている状態でした。

今回はこちらに、やや大胆にパッチを貼って補強していきます。

こんな感じかなぁと、紙で作った型で、傷を隠しきれるか様子を見ているところですね。
ひび割れしている部分を隠すのはもちろん、なるべく新しく入れる縫い目は、革が健康な部分に入れたいので、気持ち大きめに作るようにしております。

で、ご用意したのがこちら。
一時期コードバンの革が手に入らず…厳密にいうと高価すぎて手が出せず、在庫しておりませんでしたが、最近は半端革を見つけては少しづつ購入しているので、パッチ程度のサイズであればコードバンを使うことが出来るようになっております♪

ですが、色合いがちょっと薄すぎるので…
染めます。
色を抜いてから染めるのでだいぶ、色が薄く見えますね。
で、染めるとこんな感じに。
ツヤ感がまるで無くなりましたが、そちらは後で磨いて合わせていくことにします。

まずは厚さを調節。 
悩んだ挙句1mm程度に。
厚いほうが丈夫ですが、あんまり固いと曲がりづらいですし、そこで無理をするとパッチが突っ張って靴本体を傷めそうなので、程々にしました。

で、この1mmに漉いた革の周りをさらに薄くして、靴本体にしっかり接着。
周りを縫っていきます。
デザイン的には大胆な作業になってしまいますが、こんな感じで、傷んでいる部分を覆ってしまいます。
1mm厚で、周りを漉いているので、接着しても元の革のシワ感に沿ってくれているのがわかりますね。
この部分だけ突っ張ると良くない気がします

で、四か所すべてパッチを当てて縫い終わったら、靴全体を磨きつつ、ツヤ感を合わせていきます。

そうするとこんな感じに。

外ばねの付け根を一度外し、パッチを下に入れているので、羽根の付け根部分の補強にもなっているかと思います!
この程度離れると、直しているかわかりづらいくらいの感じには、仕上がっております。
コードバンクリームにより、全体にオイルが入り、ツヤ感も出ていい感じです。
コードバンの、うねるようなシワ、やっぱり格好いいですね!!


忘れておりました!
靴底はこんな感じで、縫った糸の上からハーフラバーを貼り、つま先もスチールで補強しております。
ハーフラバーをの交換は可能なので、糸が切れる心配も基本的にはないので安心かと思います!

こちらのお修理、パッチ四か所5280円、底縫い2200円、ハーフラバー2640円、トゥスチール3300円、ヒール3080円となりますので、16500円となっております。
3週間程度のお預かりとなります。

こちら配送でのお修理で承りました。
お送りした靴、さっそく履いて写真を撮って送ってくださいました。
お修理したものを実際に着用していただくのは、あまり見る気が買いがないので非常にありがたいです!
パッチ部分が見えるように写真を撮ってくださいましたが、それでも基本的には極端に目立たないので安心いたしました!

単純にやっぱり、元の靴が格好良いですね(笑)!
Ⅴチップは私、履いたことがなく欲しくなってしまいます!!
ありがとうございました!!


というわけで、コードバンの靴のお修理ももちろん行っております。
部分的に傷んでしまうことが比較的多いコードバン。
お困りの方もきっと多いはず!
是非お気軽にご相談くださいね。

それでは皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!