2018年8月10日金曜日

革靴の、つま先の傷の直し方!!!

皆様こんにちは!!

杉並区、井荻の靴とバッグの修理店doekです!!
最寄りの駅は、西武新宿線の井荻駅になります。

井荻駅南口を出ていただき、陸橋をくぐって、環八の側道沿いにございます。
ドラッグストアぱぱす、焼き鳥屋さん、当店doekとなっております。
駅から、1分足らずの距離なので、通り過ぎないようにお気を付けくださいね!!
10時から20時までの営業、水曜日のみ定休日をいただいております。

遠方のお客様は、配送でのお修理も承っております。
写真をメールに添付して、送っていただければお見積りも出せますので、お気軽にご連絡くださいね!!
 配送修理について→http://doekrepair.wix.com/doek#!untitled/civc

また、最近、集荷配達のサービスを始めております。
お修理品の数が多いときなど、お気軽にご連絡ください。
集荷配達についてはこちら→http://doekrepair.wixsite.com/doek/blank-1

久しぶりに暑い朝が戻ってきましたね!
辛いです(笑)
ここのところ、お店自体は極端に混みあっているわけではないのですが、不測の事態が多多起きており、バタバタし倒しております。
なるべく落ち着いて、仕事をこなしているつもりなのですが、難しいですね。

さて、そんなわけで、色々ありますが、今日も元気に靴のお修理のご紹介!
こちら!!

 内羽根のストレートチップ、黒。
フォーマルな靴の代表的な形でしょうか。
冠婚葬祭から、ビジネスまで全く問題なく履くことが出来ますね。
もっとフォーマルだと、オペラパンプスなどがありますが、さすがに燕尾服を着ることはそうそうないかと思うので、一般的には一番フォーマルかと思います(笑)。

さて、この靴がどうなってしまったかろいうと…
 つま先部分、ガリッと削ってしまったような傷が入ってしまいました。
このまま靴クリームを入れるだけでも、色は黒くなるので目立たなくなるのですが、やはり凹凸がかなり残ってしまいます。
そこで、今回はこちらを直していきます。
まず初めに、指でめくれるような部分があったら、革用の接着剤で、めくれないように傷を接着します。
この際、アロンアルファ等の、カチカチになる瞬間接着剤はやめてくださいね。
革の表面が割れてしまう、原因になります。

で、次に凹凸を慣らすため、紙やすりで優しく表面を整えていきます。
紙やすりは…だいたい600番…800番くらいのほうが安心かもしれません。
 あくまで、優しくお願いします。
この工程をやり過ぎて、銀面が無くなり、最終的にかえって凸凹が目立ってしまった、なんてご相談を、割と多く受けます。


イメージですが、手元にあったキップ(生後半年から2年くらいの牛の革)のスムースレザーで実験。
 こんな感じのツルっとした部分をヤスリます。

こんな感じ。
細かいヌバックのようになる程度であれば、靴クリームでほぼわからないくらいまで、補修することが出来ます。
所が、こちらの写真の赤丸をご注目ください。
周りのグレーになった部分にくらべ、荒い繊維が出てきているのがお分かりになるかと思います。
これが、いわゆる繊維の細かい「銀面」が無くなり、その奥の床の部分が出てきている状態になります。
ここまで、荒い繊維が露出してしまうと、これをフラットにツルっと仕上げるのは非常に難しくなります。
ご自身で実践する際はくれぐれもご注意くださいね!

で、今回の靴は…
 こんな感じ。
…荒いところまで行ったように、写真的には見えますが、そこまで攻めてはおりません(笑)。

で、ここに入荷性の靴クリームを塗り込みます。
 モウブレイの黒を使用しました。
この工程は、手元にお持ちの靴クリームであれば、何でもいいのかなと思います。
液体のものでなく、瓶に入っているようなクリーム状のものがベターです。
靴クリームに入っている、ワックスが、ヤスリが決してできた細かい凹凸を埋めてくれるからですね。

で、今回は…
 WOLYのワックスカラークラシックをさらに上から塗布しました。
今このクリームは手に入らないと思うので、固形の油性ワックスあたりでしっかり潰すのが良いかと思います。

 こんな感じで、蓋についているスポンジで、ぬりぬりっと塗っていきます。
このクリームの良いところは非常に着色力が強いのと、元々コードバンクリームのため、ヤスリで荒れた部分をつぶすには抜群の効果を発揮します。
そして、あとは通常通り、ブラッシングと乾拭き。

傷が靴底のコバの部分まで入っていたので、コバに関しては…

 この右側、革バフなんていうアイテムで表面をつぶして綺麗にします。
動画を撮るため、かなり片手で軽めに当てていますが、実際は両手でしっかり固定して、靴のコバをシッカリ当ててフラットにします。

今回は靴を片足しかお預かりしていない為、革バフだけで仕上げます。
軽く削ったほうがより綺麗に仕上がるのですが、ほんの軽くにしても、片足だけ削るのは嫌なので、なるべくナチュラルに仕上げます。
 出来上がりがこんな感じ。
 ほぼほぼ、傷もわからなくなっているかと思います。


 実際は手に持ってみることもないと思うので、ほぼわからないのではないかと思います!
こちらのお修理、キズ補修1620円、2~3日お預かりできればと思います。
パテを使うような深い傷の場合は、1週間いただきます。


靴のつま先、どうしても傷ついてしまいがちですよね。
比較的浅い傷でしたら、靴クリームとブラシがあれば、だいぶ目立たなく出来るかと思います。
ただ、今回は黒だったので、比較的やりやすいかと思います。
茶系の場合は、ヤスリはさらに優しく、また靴クリームは、実際の靴よりも、やや色の薄いものをお選びください。
やすった部分や、傷の部分は、ギュッと靴クリームが浸透するため、色が濃くなりがちです。
黒以外は注意が必要です。
くれぐれもご注意くださいね!

それでは皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!