2016年3月22日火曜日

ビンテージシューズのライニング交換。


皆様、こんにちは!
西武新宿線、井荻駅の靴とバッグの修理店doekです!!

当店10時から20時、水曜定休で営業しております。
明日はお休みなので、お気をつけくださいね!!

 配送でのお修理も承っておりますので、お気軽にご相談くださいね。 詳しくはこちら↓
http://doekrepair.wix.com/doek#!/civc  

 
  Facebook https://www.facebook.com/doek.iogi?ref=bookmarks    
インスタグラム!https://instagram.com/explore/locations/1016924038/   



いやーそれにしても。
花粉またっただなかですね!!!
ご来店いただいたお客様、鼻が詰まっていて何言ってるか分かりづらくて申し訳ございません(苦笑)。
まだしばらく、つらい戦いは続きそうなので、ただただ耐えるのみです。
私、この花粉のつらい時期に、虫歯になりまして。
歯医者に行ったら、ほかにおあるので治しましょうーーー。
治すのはいいんです。
むしろ、治していただきたいのです。
でーすーが・・・鼻が詰まっている状態で口を開けて歯を削られる・・・。
いろいろ大ピンチです(笑)。
先日も直前に点鼻薬を使って治療に行ったものの、途中から片方の鼻が完全不通になり、あわやもう片方も。
どうしたらいいんでしょうね、これ・・・。
大惨事です。



と、いうわけで、夜寝つけず無駄に体力を削られている気がしますが、本日も気持ちは元気にお修理のご紹介!
ちょっと、最初に写真を取り忘れたので、いきなり靴の中の状態になります。

 履き口のあたり革が破れて?縮んで縫い目が切れいるのがお分かりになりますでしょうか?
こちらは、靴ひもを通す穴の下の部分が破れています。

こちら、ビンテージシューズを購入したお客様が、ご自身で中まで水洗いしたとのこと。
革は縮み、かなり硬化しておりました。
正直なところ、わたくしもこういった症状は見たことがなく、打ちひしがれるお客様をよそに、内心興味津々でした(笑)。
通常なかなか濡らして、乾かすだけではここまでの状態にはならないので、レアケースかとは思います。

で、通常であれば、場合によってはお断りする、この状況。
今回幸いしたのは、靴の形が外ばねのタイプだったこと。
内羽根だと、靴の構造上中が見えにくいのでお断りしたかもしれません。

で、今回何をするかというと・・・

 こんな感じで、外せるライニングをそのままの形で外していきます。

こちらの修理、かなりイレギュラーな修理になります。
本来であれば、革靴のライニングは、表革と一緒に木型に釣り込んで形を作っていきます。
ですが、わたくしの技術では、靴底を外しすべてバラシ、靴を釣り込みなおすような仕上げは出来ません。
そこで、靴底は外すことなく、靴の形のまま外せる部分を、切り取っていきます。

で、出来る限り傷んでいる部分を取り外したのがこちら。

 ライニングのほとんどの部分を取り外しました。
ちなみに水洗いをしても、表革はまったくと言っていいほどダメージはありません。
不思議ですね。

ライニングを外した中はこんな感じで、芯材が丸見えとなっております。

で、新しくライニングにはもったいないくらいの、ヌメ革で、中を作っていきます。
こんな感じで、要所要所クリップで仮止めし、長さを合わせていきます。
これがずれたら、うまく仕上がらないので、ここは慎重に作業です。

 で、もちろん紐を通す部分にはこの段階で裏ハトメを打ちます。
これも、穴の距離が違ってしまうと、表革の穴と合わないなど、危険性が伴うのでずれないように慎重に。

で、出来上がったライニングがこちら。
 この段階で長さは決めてあるので、長さが長くても、短くても靴ひもを通す穴が合わなくなるので、正直けっこうビビりながら作っております。

そして、この修理の場合、木型を使って釣り込むことが出来ないので、ギュッギュ、ギュッギュ伸ばして癖付けをしてから、靴の内側に接着していきます。
通常、表革と、ライニングは完全には接着していないので、履き口部分と下の方を中心に、しっかり接着しました。
 かかとを合わせているところですね。


そして、あとは元通りに表革と縫い合わせていきます。
 ビンテージシューズはミシン目が非常に細かいので、ミスらないようにこちらも慎重に作業を進めます。

そして、ラインニングの余った部分をカットすると・・・
 なんということでしょう!!
 さも、初めからこうだったのではないかという、仕上がり!!
自画自賛(笑)。

 もちろん、シュータンの裏側も新しい革にしてあります。

これで、問題なく履いていただくことが出来るのではないかと思います。

こちらのお修理、8640円いただきました。
期間は・・・現在ながめに3週間いただけると助かります。

かなりイレギュラーな修理で、本来の靴のつくりとは、違った作業にはなってしまいましたが、おそらく問題なく履いていける仕上がりになっているかと思います。
もうダメかな・・・、もうだめだー・・・、からが当店の勝負どころだと思っております!!
他店で断られてしまった靴も、試しに聞くだけ聞いてみてくださいね。
聞くのはただです!!
場合によってはお断りしますが、出来る限り、出来る限り、何か方法をご提案できればと思い、日々度量くしております。
ぜひぜひ、お気軽にご相談くださいね!!

それでは、皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!
 

2016年3月14日月曜日

コードバンの色を変える実験。オールデン、黒。

皆様、こんにちは!!

西武新宿線、井荻駅の靴とバッグの修理店doekです!!

当店10時から20時までの営業。
水曜定休日となりますので、お気を付けください!!


寒い日が続きますね。
今日の雨で、暖かくなってくれると良いのですが。
久しぶりにパソコンを打つ手が、かじかんで上手く動きません(笑)。

 こちら、わたくしが書いたコラムを載せていただいております。
ぜひこちらもご覧くださいね!!
 https://meotalk.jp/life/3769



さてさて、というわけで、サクサクっと本題に
今日ご紹介するのはこちら!
 オールデンの定番ローファー、987ですね。
コードバンという、馬のお尻の革で作られております。
右は磨いてある状態、左は汚れを落として、つやがなくなっている感じになります。

で、今回は。
せっかくの定番の黒の高級紳士靴を・・・あろうことか実験に使おうという、恐ろしい企画。
新品で買おうと思ったら・・・ざっくり両手じゃ足りないような金額のこちらの靴。
考えただけでも恐ろしい・・・。
わたくしこちら、訳アリ商品でしかも中古で手に入れたので、できる実験ですが、新品で買っていたら絶対やらないと思います。
良い子の皆さんはマネしないでくださいね(笑)。

で、何色にも染まらない黒の色を変えられないか!??
ということで、今回は色を変えていきたいと思います。

こちらのブログで何度か出ていますが、色を変えるには「染める」か「塗る」方法があります。
で、「塗る」方法の方が、わかりやすく色が変わるのですが、革の風合いが当然のようになくなってしまいます。
ペンキで塗ったようにペタッとなってしまうということですね。
で、超高級な馬のお尻の革が、ペタッと雰囲気が悪くなるのは嫌なので、今回は「染める」方法で行きたいと思います!!


で、まず初めに、革の表面の汚れやクリームをしっかり落とします。
今回はシンナーも使用しました。
溶剤ですね。
余分な油分を根こそぎ落とします。

そして、そのあと全体を細かい紙やすりでやすります。
怖いですねー。
表面を傷つけるようなものです。
が・・・少しだけ補足すると、コードバン自体は、革の表面を削り落とし、コードバン層という革の層まで表面を削って仕上げた革となります。
ということはコードバン層を突き抜けてしまわなければ、近い仕上げが出来るのではないか!!という仮説の元、行っております。

 こちらがやすり終わった感じ。
全体にふわっと白っぽくなっているのがお分かりになるかと思います。
特有のコードバンのつや感は、もうまるでありません。

で、そこに・・・
 今回は、こちらの青の水性の染料を入れていきたいと思います。
最終的な目標点は紺です!
いきなり紺の染料を入れてしまうと、黒に近づいてしまう気がするので、今回は青を使います。
 こんな感じで、タオルでごしごしと染み込ませていきます。
湿っているとやはり黒に見えます。

そして、染料をいれて、入りにくいところを改めてやすり直して、というのを繰り返した結果・・・
  こんな感じで、若干青っぽくなっているのがお分かりになるでしょうか?
黒っぽいところはやすりが足りないというか、あえてやすり切らなかった部分になります。
完全にやすると、思いのほか色が入りそうなので、暗めに仕上げていく予定です。

で、完全に乾いた頃合いを見計らって、コードバンクリームで仕上げていきます。

 今回は、サフィールノワールシリーズのコードバンクリーム、無色を入れていきます。
ネイビーの靴クリームにしようかと思いましたが、やはり表面をやすっているため、油分がグッと入り込んで濃くなる恐れがあるので、今回は無色を使います。

で、しっかりブラッシングをして、乾拭きで仕上げると・・・

 どすん!!
いかがでしょうか??
この見事な紺、ネイビーブルー…ネイビー??ん??・・・深緑??
ちょっと写真だとわかりづらいですが、思いのほか緑が強く出ました。
黒の靴と並ぶとその色の鮮やかさが一段とわかりやすいかと思います!!
やっぱり、これは緑でしょうか・・・青緑(笑)?


 強い朝日を浴びて、きれいに輝いております!!
ちなみに、コバの部分も元の黒を削り、茶色で仕上げているので、より爽快感が増しております!!


目標としていた色とは、正直違いますが、これはこれで綺麗に仕上がったので成功とさせていただきます!
はーーーーー、履ける状態で、まとめることが出来て良かった(笑)。

とはいえこれは実験段階。
お客様に、紺にしますね!!とお約束していたらと思うと、嫌な汗が出て止まりません(苦笑。

おそらく、黒をやすりで落とした段階で、革自体に黄色の要素が強く残っていたのかと思われます。
黄色に青を入れてしまったので、緑が強く出たと。
理屈はわかりますが、黄色を抜けば(どうやって?)よかったのか、紺の染料を入れればよかったのかちょっとわからず、引き続き悩んでおります(笑)。
思ったようにはいかないので、まだまだ、お客様にご提案は出来そうにありません。。。

そんなこんなで、自分の私物で実験をしながら、お客様によりクオリティの高いサービスを提供できるよう、日々努力しております。

こんなことをしてみたい!こんなことは出来ないか??ということがあれば、ご遠慮なくご相談くださいね!!
出来る限り頑張っていきます!!

それでは皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!

2016年3月8日火曜日

ルイヴィトンのバッグ、革交換!!

皆様こんにちは!!

西武新宿線、井荻駅の靴とバッグの修理店doekです!!

当店10時~20時の営業、水曜日定休となっております。
明日お休みなので、お気を付けくださいね!

また、遠方のお客様は配送でのお修理も承っております。
お気軽にメール、又は電話でご連絡ください。
詳しくは→ http://doekrepair.wix.com/doek#!/civc


さて、すっかり春がやって来ましたね!
私、案の定、季節の変わり目に風邪をひいております!
もう、花粉症なのか風邪なのか訳が分からない状態ですが、花粉症の症状だけではないのでおそらく並行しているのかと思います。
実にしんどいです!!
皆さま、くれぐれも、ご注意くださいね。
体調管理が難しい時期です。


さてさて。
今日はすっと、お修理のご紹介に(笑)。
こちら!!
 言わずと知れたLouis Vuitton(ルイヴィトン)のショルダーバッグになりますね。
 で、こちらが・・・

 こんな感じで、ショルダー紐が外れてしまっていました。
また、革全体が劣化やシミが見られ、今回は革の部分を交換してほしいとのご要望。
はい、大丈夫ですよ!!
・・・本当か!??
心の中では動揺しております(笑)。

とはいえ、眺めていても出来上がることはないので、外せる部分を、サクサクっと外していきます。
で、今回交換する部分を外すと、こんな感じ。
バッグ本体のパイピング部分以外はすべて取り外しました。
パイピングは今回そのままで残します。

 そして、仕入れた革で、外したパーツを型にして、新しいパーツを切り出していきます。

 こんな感じですね。

 で、革のパーツの外側に、「ネン」なんて言われる線を引いていきます。
ずるっと斜めにずれると、非常に見栄えが悪くなるので慎重に行います。

 で、あとは元通りに組み立てていきます。
今回こちらのバッグは、切りっぱなしの革のパーツが多いので、周りはあまり縫っていません。
その分、厚い革を用意したので、裁断は大変でした(笑)。

 とはいえもちろん、要所要所必要なところは元通りに縫い合わせていきます。


で出来上がりがこちら!
 革の色も、若干落ち着いた色合いなので、違和感が少なく出来上がったかと思います。

 写真が遠くてわかりませんが、サイドのカシメ金具は交換しておりますので、Louis Vuittonのロゴの無いものになっておいります。


こちらのお修理、ショルダー紐交換が通常8640円。
マチからそこに回る、革。5400円
ふたのベルト、3240円
くらいの目安です。
ちょっと作りによって前後はしますので、目安にしてくださいね。

当店、バッグの修理も全力で承っております!
私、バッグのメーカーに6年ほど勤めていたこともあり、割と得意分野であります。
ぜひ、お気軽にご相談くださいね!
皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!

2016年3月6日日曜日

Christian Louboutin(クリスチャン・ルブタン)に赤のハーフラバー!!

皆様こんにちは!!

西武新宿線、井荻駅の靴とバッグの修理店doekです!!


当店井荻駅南口から徒歩一分、環八側道沿いにある小さな靴修理店となっております。
もし場所がわからなければ、駅前から電話していただければ、店の前で手を振りますので、よろしくお願いいたします(笑)。


さて、すっかり春になりましたね。
ブログを更新しないでいるうちに、冬は去り、花粉がやってきました!
しんどいですねー・・・。
鼻が機能していないです、毎年のことながら。
舌下療法がいいのか、鼻の中をレーザーで焼くやつが良いのか、来年こそは事前に準備万端にして花粉の時期を迎えたいと思います。
ことしは、ただただ耐えるのみ(笑)。


さてさて、本題のルブタンに入る前に、靴修理をしていて、たまに気になることを・・・。

 こちら、内ばね式の靴の靴ひも。

実は百貨店などで靴が売られているときって、上の写真のようにはなっていません。
 こんな感じ。

・・・なぜか横向き。
まあ、いいです。
店頭にディスプレイされているときは、こんな感じで、靴ひもの結び目が外に出ないように、靴紐は結ばず、靴の中にしまってあります。
そうすると、すっきり見えますからね。

で、実は裏にしまってある在庫もこんな感じで、紐を通してあります。
なので、買ってきて箱から出したまま紐を結ぶと、紐が両方とも靴の中にあるので、結び目がこんな風に靴の中に出来てしまいます。

これたぶん、紐の調節もしにくいですし、最後にギュッと閉めるとき、中途半端なことになるかと思うんです。

ですので、片方の紐を穴から抜いてあげて、一度一番上の穴のところだけ通しなおします。

片方抜いた図。

そして・・・

 こんな感じ。
こんな感じに一番上の穴は下から上に紐が出ている状態になれば、普通にギュッと結べば履きやすいかと思います。」
この状態で、蝶結びをすると、一番上の写真の状態になります。

買ってきた靴の靴ひも、一度確認してくださいね。
革靴の靴ひもは脱ぎ履きの際は毎回ほどいて結びなおしてください。
面倒でもそのまま脱いだり履いたりしてはだめですよ!!

というわけで、最近ちょっと気になった話でした。

で、本題に入る前にもう一つ。
また丸井様のサイトで、コラムを載せていただきました。
https://shoeslabo.0101.co.jp/article/foot-leg/shoe-care-repair-storage/30221/
ぜひこちらもご覧になってくださいね!!



さて、というわけでお待たせしました!
Christian Louboutin(クリスチャン・ルブタン)の登場です!!
ルブタンと言えば、女性なら一度は憧れる、あの赤い靴底の高級婦人靴!!

ですがー
今回はメンズ!!
しかも、とげとげしています。
ローラーボーイですね!
 で、ルブタンと言えば、メンズでも。
 そう、この赤いレザーソールですね!
真っ赤なマニキュアから、デザインされているそうですよ!
すでに、前半分を削っているのでお分かりかと思いますが、ハーフラバーを貼ります!

 当然の、赤!
そして、本当にとげが痛いです、この靴!!


こんな感じで、仕上がっております。
こちら、メンズハーフラバー2138円。
最短30分程度でしょうか。


もろもろ、詰め込みすぎて修理のご紹介が駆け足になっておりますが、ハーフラバー色も豊富に取り揃えております。
こんな色無いかな???と思ったら、試しにご相談くあださい!
場合によっては取り寄せてでもお探しいたしますよ!!

それでは皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!