2019年6月15日土曜日

安い靴を買うより、良い靴のほうがお得??aldenのブーツ、靴底修理。

皆様こんにちは!!
靴とバッグの修理、合鍵作成の店doekです!!

西武新宿線、井荻駅で降りていただき、南口をでて右手に見えるお店です!
みずほ銀行さまのATM、センチュリー21さま、当店doek、東京三菱UFJ銀行さまのATMという並びになっております。

遠方にお住まいの方は、配送でのお修理も承っております。
メールでのお見積りも承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
配送については、こちら→http://doekrepair.wixsite.com/doek/untitled-civc


週末、あいにくのお天気になってしまいましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
滞りがちなブログの更新が、6月に入っていよいよ、半ばも過ぎてしまったので慌てて更新しております(笑)。
店舗を移転引越ししたのが、5月16日なので、もう1か月。
まだ、やれ、あれはどこだ!??時計が無くて時間がわからない!!商店街の夏のイベントのお手伝い(←関係ない)!???とバタバタしながら作業している状態でございます。
とはいえ、ありがたいことに、お客様にもたくさんご来店していただき、想定よりも順調に滑り出せたのかなと思っております。
ありがとうございます。


さてさて、ブログの本題に入る前にもう一つ、最近お客様との会話で気になったことが。
安い靴買って履きつぶすより、良い靴を買って修理しながら履いた方がトータルとしてはお得なのよねーーー
という、靴の販売や、僕ら修理業界ではよく聞く話。
よく聞く神話。
根拠のない、おとぎ話!??
本当に!??
と、ちょっと気になりました(笑)。

そこで、ちょっとインターネットで調べてみました。
「ビジネスシューズ 激安」
ポチっと。
そこで目にした価格が…
「2足セット メーカー小売価格4298円→安売り今なら2300円」
…え?2300円?
1足、1150円?
合成皮革、合成底とのことでしたが、1足1150円…。
これはあんまりにも、あれなので、1足3000円程度と仮定します(苦笑。

で、良い靴。
良い靴の定義が難しいのですが、紳士靴で良い作りとされているグッドイヤーウェルテッド製法の革靴だと、百貨店で2万円台~といった感じだったと思うので、切り良く30000円としてみます。
金額としては10倍。

ということは。
営業等の仕事で歩く場合、おそらく合成皮革の紳士靴、1足を週5で履いたら、どんなに持っても1年たつと、それなりに傷んでしまうかと思います。
合成皮革の場合、もちろん靴クリームで色の補色程度は出来ますが、状態を良くすることはほぼ出来ない為、買った時が100、そこから悪くなる一方かと思います。

で、良い靴。
30000円出した場合ですね。
1足を週5で…。
個人的な感想としては、放って置いたら10年は絶対に持ちません。
残念ながら。
週5は厳しいなと思いながら、何もしなければ3年程度でしょうか?
恐らく、アッパー(表の革)に穴が開きます。
また靴底の修理は必須です。
ただ、利点としては、合成皮革に比べ、本革の場合手入れによっては、買った時の100より、見た目、履き心地とも良くなる可能性があります。
もちろん、手入れ次第によりますが。

ということは…
ただ単純にコストパフォーマンスだけ見た場合、3000円の靴をほどほどに傷んだ半年で捨てると決めて、新しい状態で履き続けたほうが、良いかと思います。
それが、2足で2300円ならなおさら(苦笑。

そもそも良い革靴を週5で履き倒すという、履き方自体オススメできるものではなく、複数の靴を履き回していただきたいのですが、そうなれば当然、靴の数も増えるのでコスト的にはかかってしまいます。

なので、正直なところ最初の
「安い靴買って履きつぶすより、良い靴を買って修理しながら履いた方がトータルとしてはお得なのよねーーー」
これ、コストパフォーマンスだけの、お得であれば、残念ながらそうは言えないという結論かと思います。
靴修理店の店主としては、非常に残念な考察です。
死活問題デス。

とはいえですね。
とはいえ。
現在、良い靴を安く手に入れる方法は多くあります。
例えば、良い靴を10000円で手に入れることが出来れば、激安3000円の靴より、しっかり長持ちさせることが出来るかと思います。
また、上でも書きましたが、良い靴は手入れ次第では、本当に綺麗に履くことが出来ます。
むしろそこに、コストをかけていると考えていただけるとありがたいかと思います。
ただただ、耐久性のみを目指すなら、鉄下駄で良いのでは!??という話ですね(笑)。

コストパフォーマンスだけでのお得であればと書きましたが
「安い靴買って履きつぶすより、良い靴を買って修理しながら履いた方がトータルとしてはお得なのよねーーー」というこのトータルが重要で、コストだけが全てではないという発想。
なんなら、くたびれた合皮の靴を履いているより、手入れの行き届いた綺麗な革靴を履いている方が、仕事が上手くいくかもしれません。
履き心地も良いので、身体にも負担が少ないかと思います。
何なら、モテちゃうかもしれません。
また、なにより自分の気持ちが潤いますよね、靴に限らず、好きなものを身に着けていると。

というわけで、皆様方の靴の価値観の話になってしまうのですが、当然と言えば当然ですが、靴修理店の店主という立ち位置も踏まえて、良い靴を履いていただいた方が、コストはともかく、トータルとしてはご満足いただけるのでは!??
と考えております。
本当に気に入って、足に合う、3000円の靴に巡り合えたら、それはそれで良いと思うんですけどね(笑)。

ちなみに上記の考察、修理代等は含まれておりませんので、コスト面ではもう少し良い靴は、かかってしまうかもしれませんね(苦笑。

そんなわけで、ちょっと思ったことをツラツラと書いてみました。
きっとこのブログを読んでくださる方は、良い靴が好きな方なのではと思うので、心配はしておりませんが、ぜひ皆さま、靴をお買いになる際は、熟慮していただければと思います!



さて。
長かった、ここからが本題?
というか、お修理のご紹介(笑)。
むしろ、思っていることを書いた方が読みごたえがあるのでしょうか???
修理の紹介がおまけ。
いや、そんなことはないですね、むしろ読んでいただきたいのはここからです(笑)。

こちら!!
 もう、これぞ良い靴ですね。
THE良い靴!!
みんな大好き、オールデンのブーツをお預かりいたしました。
これはもう、お値段なりの価値があるかと思います。
週5で履くような履き方はせずに、ここ一番で履いたら、最高に格好良いですよね。
気分が上がる一足でございます。
修理をしていても楽しいです(笑)

で、こちらが…
 こんな感じの靴底なのですが、だいぶつま先側、カカトとも、すり減ってしまいました。
そこで、今回はこちらのゴムを交換していきます。

 まずはゴムが縫い付けてあるので、縫ってある糸ごと、ラバーを削り落とします。
で、出し縫いの糸を抜いたら…

接着剤で、いつものように新しいゴムを、ガッチリしっかり圧着。
 ハンマーと圧着機でガッチリと固定します。
今回は、なるべく近いパターンの、vibram2333番を使いました。

で、周りを整えます。
通常のハーフラバーと基本的には同じ手順になります。
 周りを綺麗に整えたら…
 こんな感じで、縫い付ける外側の凹凸を無くし、元の状態に近い形いします。
この周りを縫います。

 こんな感じ。
凸凹の上からでも縫えるのですが、この方がスマートですね♪
 で、カカトも新しいゴムに変えれば出来上がりです。
 欲しーなーと思いながら、仕上がりを眺めます(笑)。
こちらのお修理、vibram2333番3240円、出し縫い2160円、ヒールvibram1205番3024円。
合計8424円いただきました。
期間は2週間程度。

こういった素晴らしい靴は、間違っても履きつぶすことの無いよう、靴底が傷んだら直すようにお願いいたします。
やはり、靴が直せることを知らない方も、まだまだ多くいらっしゃいます。
是非、お気軽にご相談くださいね。
それでは皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!