2018年1月29日月曜日

レッドウイングのアイリッシュセッターを洗いながら、いろいろ考えてみる。

杉並区、井荻の靴とバッグの修理店doekです!!
最寄りの駅は、西武新宿線の井荻駅になります。

井荻駅南口を出ていただき、陸橋をくぐって、環八の側道沿いにございます。
ドラッグストアぱぱす、焼き鳥屋さん、当店doekとなっております。
駅から、1分足らずの距離なので、通り過ぎないようにお気を付けくださいね!!
10時から20時までの営業、水曜日のみ定休日をいただいております。

遠方のお客様は、配送でのお修理も承っております。
写真をメールに添付して、送っていただければお見積りも出せますので、お気軽にご連絡くださいね!!
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また、最近、集荷配達のサービスを始めております。
お修理品の数が多いときなど、お気軽にご連絡ください。
集荷配達についてはこちら→http://doekrepair.wixsite.com/doek/blank-1


さて、寒い日が続きますね、かくかくしかじかで、この寒いなか、私物のアイリッシュセッターを洗ったので、ご紹介!
こちら!!

 靴底は変えてあるので、いわゆる白いあれではないですが、レッドウイングの定番、アイリッシュセッターになります。

ここ二年くらいでしょうか、秋冬春の仕事は、ほぼこれ一足でこなしておりました。
さすがに、全体に擦れや、汚れが目立ちます。

まあ、冬場ずっと履いているということで、それなりに、ほどほどに、香ります。
そんなに激臭ではないですよ!!
たぶん…。

というわけで、いくらか香りも抑えられたら良いな、なんて思いつつ作業スタートです(笑)!

まずは…
 このホコリやゴミが貯まりやすい、ガゼットタンの付け根部分を、ブラッシングしてゴミをかき出します。
靴の中にゴミが入っていないだけでも、ガゼットタンの意味があるんでしょうけれども、この部分は非常に汚れが貯まりがちです。

こんな感じで、グッと広げてゴミを取り除きます。
 で、当然、靴の中にも靴下のホコリなど、思いのほか綿埃のようなものが詰まっているので、そちらも出来る限り取り除きます。
 私は、コンプレッサーのエアーの勢いで、吹き飛ばします。
無い場合は、歯ブラシや、割りばしにタオルを巻くなどして、つま先の部分を探っていいただければよいかと思います。

ホコリや、汚れを取り除いただけでも、何となくスッキリですね。
ですが、もちろん、これだけでは終わりません。

 ただ、正直なところ、この段階で靴クリームで磨いて終わらせても、全然OKかと思います。
言ってもワークブーツですからね。
ピカピカにするのも、何か違う気がします(笑)。

ですが、今回は全体をシッカリがっちり洗っていきます。


 こんな感じで、革用の石鹸、サドルソープをしっかり泡立てて、ゴーシゴシ洗っていきます。
アイリッシュセッターの黒、この靴に関しては、比較的顔料が強くあまり、ギュンギュン水を吸い込む感じはありません。

で、靴の中はスポンジにでしっかり泡立ってて洗っていきます。
 これはサドルソープより、もう少しサラッとした洗剤を使います。



 こんな感じで、靴の中もしっかり泡立てて洗っていきます。
臭いはもちろん、カビや汚れがあると嫌なので、しっかり洗います。

で、シューズキーパーを入れて乾燥。
 向かって右側が、シューズキーパー入れてあります。
左側は、シッカリ入れていないので、シワ感があるのがわかるかと思います。

で、あとは時間をかけて乾燥。
ある程度、半渇きになったら、キーパーは抜いてしまい、シリカゲルの乾燥材をいれました。
こんなやつですね。

で、3日ほど放置して、靴の中までしっかり乾いたことを確認したら、次の工程へ。
 表面の色抜けが目立ってきていますね。
 こんな感じ。
 どちらもつま先付近はかなり擦れています。

で、私ここで、いろいろ考えました。
元々、顔料の強い靴は、果たして靴クリームで磨くのが正解なのでしょうか??
いや、もちろん、靴クリーム自体が悪いものだとは、まったくもって思っていないのですが、ただ、着色力は決して強くなく、履いていれば当然色が落ちます。
また、ある程度顔料の強い革に対し、靴クリームを塗ったところで、中にすごく染み込むということもあまりないように思います。
もちろん、ひび割れや傷の部分にはしっかり浸透するとは思うのですが、果たしてそれが靴にとって良いのか…。

で、ここで考えたのが染料。
いわゆる、染み込ませて色を付ける、皮革用の染料です。
染料を染み込ませて、黒く色を付けて、その上から色止めをするか、あるいは直で、靴クリーム。
これ、割とありなのではないかと思います。
ただ、染料の場合、やはり退色が早いであろうことと、色止めをするのであれば、概ね顔料と変わらないだろうなと。


で、今回は元々顔料の強い靴なんだからということで、うすーく顔料を塗って仕上げていく形にしました。
顔料は比較的、よくない印象が強いようですが、基本的には、ゴッテリ厚塗りをしない限り、全く問題ないのではないかと、私考えております。
もちろん、公園のスベリ台みたいに、べとっ!!と塗ってしまうと、柔らかい、皮革の場合剥がれの原因になるのですが、ベットリ塗りさえしなければ、むしろもとに近い風合いを残しながら仕上げることが出来るかと思います。


で、今回塗るのがこれ。


 バインダーなんていう、下地材に黒のペーストを溶かして作ってあります。
白のバインダーに黒を少量入れているので、グレーに見えますね。
いわゆる、絵の具やペンキのような濃さはありません。
顔料といっても、かなりしっかり染み込むので、染料に近い感覚で使っております。

で、これを全体に塗っていきます。
 こんな感じで、それなりに黒くなっていきます。
で、全体を塗って乾かしたら、トップコートのスプレーを吹きます。
 ウレタン系の塗料になります。
おそらく、皮革製品や靴磨きが好きな方は、このウレタン塗料のトップコートに抵抗があるのではないかと思います。
革が呼吸できなくなってしまう!!毛穴が詰まってしまう!!などなど…。
…革は呼吸してないですよね。
例えば、汗等湿気を含んで、適度に排出してくれる機能を呼吸というならば、布だって…。
まして、ほとんどの皮革製品は、製品段階でトップコートはしてあると思うので、なんていうかしっくり来ない話が多いです。。。

とまあ、いろいろ考えても、答えはないので、この靴は厚塗りにならない程度に全体にスプレーして仕上げていきます!
 こんな感じ。
傷に無理に隠すほど塗っているわけではないので、凹凸は普通に残っています。
 こちら革は比較的綺麗になっていますね。

で、もちろんそのあとは、通常通り、靴クリームで仕上げていきます。



で、出来上がりがこちら。
何となくコバも薄汚かったので、黒く色を塗りました。
 つま先のほうも靴クリームでナチュラルに仕上がっております。
 良い感じですね!
全体のツヤ感や見た目をまとめるという意味では、靴クリームは非常に扱いやすく、良いと思います!
こちらのお修理、クリーニング+顔料仕上げで6480円となります。
靴クリームで磨いても、すぐ色が落ちてしまうといった方には、おススメのお修理となります!
10日から14日程度いただきます。

ちなみに臭いも、それほどひどい状況ではなくなりました(笑)。
匂いにつきましては、現在いろいろ検討中なので、また追ってご紹介いたします…。

というわけで、色がくすんでしまったブーツ、汚れが目立ってきた靴、洗って塗装しなおすことで、きれいに蘇りますよ!!
是非お気軽にご相談くださいね!!

それでは、皆様のご来店、お待ち申し上げております!