2018年7月21日土曜日

ビブラム2055番、紳士靴のオールソール交換!!

皆様こんにちは!!

杉並区、井荻の靴とバッグの修理店doekです!!
最寄りの駅は、西武新宿線の井荻駅になります。

井荻駅南口を出ていただき、陸橋をくぐって、環八の側道沿いにございます。
ドラッグストアぱぱす、焼き鳥屋さん、当店doekとなっております。
駅から、1分足らずの距離なので、通り過ぎないようにお気を付けくださいね!!
10時から20時までの営業、水曜日のみ定休日をいただいております。

遠方のお客様は、配送でのお修理も承っております。
写真をメールに添付して、送っていただければお見積りも出せますので、お気軽にご連絡くださいね!!
 配送修理について→http://doekrepair.wix.com/doek#!untitled/civc

また、最近、集荷配達のサービスを始めております。
お修理品の数が多いときなど、お気軽にご連絡ください。
集荷配達についてはこちら→http://doekrepair.wixsite.com/doek/blank-1


さてさて、ここの所ブログの更新が出来ていなかったので、張り切って二日連続の投稿です!
昨日のPRADAのパンプスのオールソール交換同様、本日もオールソール交換のお修理のご紹介。
こちら!!
 こちら!
ガラスレザーの内羽根、ストレートチップになりますね!
余談ですが、こういった表面がつやつやした、ガラスレザー。
比較的お手入れをしなくても、綺麗に保ちやすく、水もほぼ染み込まない、使い勝手の良い革になります。
半面で、表面に傷がついてしまったり、色が抜けると、靴クリームでの補色が非常に難しかったりと、多少のデメリットもございます。
靴クリームを塗っても、ちっとも色が入らないなあ、なんて時はガラスレザーかもしれません。
市販されているクリームでは難しくても、業務用の顔料等を使って綺麗に仕上げなおすことは可能です。
お気軽にご相談くださいね。

さて、本題に(笑)。
こちら。
 靴底の一部が欠けているのがお分かりになりますでしょうか?写真中央あたり。
 こちらも、一部欠けております。
この部分、押し縁なんて言われる、ひも状のパーツが付いているのですが、長く履くとゴムでできた押し縁は、劣化して割れて外れてしまうなんてことが、しばしばございます。
この部分、あとでも説明いたしますが、部分的に直すことが非常に難しいです。
極端なことを言えば、似たタイプの押し縁を接着剤を付けて押し込んで、整えれば、体裁は整えられるのですが、すぐ剥がれてしまうことが予想されます。
また、この部分を埋めても、ほかの部分が、ぽろぽろと欠けてしまうことは、目に見えており…。
というわけで、今回はこのパーツ含めて、全て交換していくようにいたします。

ちなみに底面はというと...
 カカトは一度修理されており、つま先側もかなり擦り減って、模様が消えてきています。
このくらいまで、減っていてくれると、オールソール交換もオススメしやすく安心です(笑)。
あまりにもすり減っていない段階であれば、押し縁の部分的な補修で何とか、すり減るまで持たせることも提案したりいたします。

というわけで、まずは靴底を剥がしていきます。
 こんな感じで、閻魔ヤットコでゴリッと。
元々接着だけの、セメンテッド製法なので、ある程度力を入れれば剥がれます。

剥がしたものがこちら。
 やはり、押し縁はかなり劣化しておりました。
中のスポンジも崩れてきております。

いわゆるグッドイヤー製法の靴のように、靴の中にコルクが詰まっていることもなく、縫い付けてもいない為、かなりシンプルな作りです。

で、この外した靴底で型を取って、新しい靴底を作っていきます。
 こんな感じで、グラインダーで形を整えて、接着する前に靴底を作ってしまいます。

靴本体はこんな感じ。
 青いのは新しい、スポンジになります。
低反発のスポンジになります。
先ほど書きましたが、靴の中の作りもシンプルなため、軽く返りも良い仕上がりになるところが、セメンテッド製法のメリットになりますね。
もちろん、価格もリーズナブルになりがちです。

で、靴底はというと…
 こんな感じ、中央の何も貼っていない底に、左側のひも状の押し縁を貼り付けていきます。
貼り込んだのが右側ですね。
今回は、ゴムよりは劣化しにくいであろうということで、革の押し縁を使用しております。
この作り方をすると、接着面をキッチリ綺麗にしてから接着することが出来、また、貼り付けた後ハンマーでたたいて、しっかり圧着することも可能です。
靴底を外さず、取れてしまった部分だけ、はめ込もうとすると、接着面の下処理が出来ず、また圧着も不十分なため、すぐまた外れてしまう可能性が高まります。
靴底を外した状態で作業が出来ると、安心ですね!

で、さらに整えます。
 周りを綺麗に。
接着面がなるべく、ピターーーーっと違和感のないようにします。


そして、接着剤を塗布。
 隙間なく、しっかり塗布して、乾燥させます。

その後乾いた接着剤を温めて、しっかり圧着していきます。

 一度圧着してしまうと、よっぽどのことがなければ剥がれない為、ずれないように慎重に場所を決めて、圧着機で一気に固定します。
 あとはかかとを作っていきます。
元々、スポンジの積み上げだったため、同様に黒のスポンジを積みました。

 あとは、いつもの通り、カカトのゴムを取り付けて、周りを整えていきます。
 いかがでしょうか?
これで、また安心して履いていただけるかと思います!
 もちろん、押し縁も新しくなっているため、しっかりかっちり仕上がります!
こちらのお修理、10800円、3週間程度いただきます。

靴底の縁が取れただけで、大きなお修理になってしまったパターンではありますが、簡単そうに見えて、意外にちょっとでは直せない場合もございます。
出来るだけ、しっかり長持ちするお修理をご提案いたしますので、お気軽にご相談くださいね。
場合によっては、最低限で出来る限り持たせるよな方法も考えるようにいたします。
もろもろお気軽にご相談ください。
それでは、皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!