2020年4月7日火曜日

Paraboot(パラブーツ)のオールソール交換。ビブラム700番コルクソール!

こんにちは!
靴とバッグの修理、合鍵作成の店doekです!!

西武新宿線、井荻駅で降りていただき、南口を出て右側に見えるお店です!
みずほ銀行さまのATM、センチュリー21さま、当店doek、東京三菱UFJ銀行さまのATMという並びになっております。
水曜定休、10時から20時までの営業となっております。
お気軽にご来店ください。

遠方にお住まいの方は、配送でのお修理も承っております。
メールでのお見積りも承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
配送については、こちら→http://doekrepair.wixsite.com/doek/untitled-civc

さて、いよいよ今日非常事態宣言が発令されるようですね。
少し調べてみたところ、日本においての非常事態宣言は、2011年の原子力緊急事態宣言、それ以前だと太平洋戦争まで遡るようです。
そう考えると、事態の大きさが改めて感じられますね。
個人的には、昨日までと何かできることが変わるかと言われると難しいですが、なるべく人ゴミには行かないように、引き続き自宅か店頭、5分圏内で過ごしていこうと思っております。
…あれ?あんまり普段と変わらないですね(苦笑。


さて、そんなわけで、あんまり張り切って、ブログを更新するのもあれなので、ひっそりと(笑)。
こちら!

 Paraboot(パラブーツ)のアビニョン。
1908年創業のフランスの靴メーカーですね。
ミカエルや、シャンボードが有名ですが、私はアビニョン。
ちょっと流行っているのとは違うぜ!!なんて、尖ったこだわり無く、状態が良く安かったから。
確か中古で購入したものかと思われます(笑)。
made inフランス、現在でも材料の7割は国産のものを使用しているそうです。
靴修理を始めたころは、パラブーツの靴底、パラゴムは接着剤が着かないから注意して!!なんて言われたものですが、現在は修理方法なのか、接着剤が良くなったのか、私の腕なのかはわかりませんが、問題なく接着できるのでご安心ください(笑)。

で、そんな革靴の靴底は…


 レザーソールにガッチリハーフラバーを貼ってあります(笑)。
パラブーツなのにパラゴムじゃない靴底!

このままでも全然履ける状態ですが、新しいミシンの練習もしたいため、靴底を交換していきます。
技術の進歩には犠牲がつきものなんです(笑)!
パラブーツのロゴの入ったレザーソール、ちょっともったいないですけどね。
 が、悩んでも仕方ないので、周りの縫ってある糸をフィニッシャーで削り剥がします。
一枚剥がしたところ、ミッドソールが出てきました。
まずはこの段階で縫い糸を全て抜きます。
この後でもいいのですが、無理に糸を引っ張ってウェルトを傷つけるのは避けたいので、なるべく早い段階で糸は抜きます。
 こんな感じですね。

で、こんどはこのミッドソールを剥がします。
 べりっと。
思いのほか、なんだかもう泥みたいに中ものが出てきました。
劣化というか、古くなったコルクですね。
コルクとは思えない色でした(笑)。

で、コルクを取り除くと…
 こんな感じで、通常通り中底の裏側と、そこに接着してある、白いリブ。
木製のシャンクも折れずに残っておりました。
こちら、グッドイヤーウェルテッド製法ではなく、ノルウィージャン製法。
グッドイヤー製法はウェルトを内側に入れてアッパー、ライニング、リブとつまむような形で縫っている感じです。
それに対してノルウィージャン製法は、ウェルトを「L」字に靴の外側に取り付け、外側からアッパーライニング、リブと縫い付けてる感じですね。
作りに関しては、ネットで調べていただくと、山ほど出てくるので調べてみてください(笑)。

で、このコルクを取り除いた部分に、新しいコルクを詰めます。
 こんな感じで、みっちりと。
で、本底、今回はビブラム700番のコルク入りのソールを取り付けました。
 周りを綺麗に整えて…
 例のラフレンボールなんて言う、手動の出し縫い機でぐるっと周りを縫いました。
問題ないですね♪
 ちょっとカジュアルなイメージになるように、生成りの糸で。

で、あとはカカトを取り付けて…
 圧着機でドスン、その後靴の内側から、釘で固定しました。

カカト周りを削って整えます。 
 カカトの断面に、白?黄色いポツポツしているのが、ゴムに混ぜ込んであるコルクの粉末ですね。
割と昔の靴には合ったディティールかと思います。

で、出来上がるとこんな感じに!
 ドスンと!!
革靴の雰囲気ですが、ちょっとブーツっぽい靴底が付きました。
私はスーツを着ること自体極めてまれなので、カジュアルっぽいくらいのほうが履きやすいです。
ソールの断面のコルクも良い感じです。
靴底のすぐ上に見えていいる、大き目な縫目、これがいわゆるノルウィージャン製法の縫い目で、この部分からアッパーライニング、中底の裏に貼ってあったリブまでいっぺんに縫ってある感じです。

というわけで、色々説明いたしましたが、ビブラム700番のオールソール交換、こちら、15400円となります。
通常3週間程度。
お気軽にご相談くださいね!
皆様のご来店、お待ち申し上げております!!