2016年7月15日金曜日

靴底に穴が!!ハーフラバーで埋めますよ!!

 皆様こんにちは!!

西武新宿線、井荻駅の靴とバッグの修理店doekです!!
杉並区上井草で、10時から20時まで、水曜定休で営業しております!

お盆休みは・・・まだ未定ですので、決まり次第こちらでご報告いたします!!


というわけで、相変わらず暑い日が続きますね。
そろそろ梅雨明けしても良いかと思うのですが、どうなんでしょうね?
とはいえ、ここ最近は梅雨が明けてもゲリラ豪雨があったり、雷がやってきたりと、油断はならないですが・・・。
とりあえず、蒸し暑いのだけでも、すっきりすると良いのですが。
最近、顔がザラザラするなと思ったら、塩の結晶が出来ていました。
シャツなんかならともかく、皮膚に塩って、あまり記憶にありません。
相変わらず、ハードな環境で仕事をしております(笑)。

というわけで、今日はややはーどめなお修理をご紹介!!

こちら!!
ウイングチップの、良い雰囲気の革靴ですね!!
不覚にも、ブランドを忘れてしまいましたが、見るからに良い革ですよね!!

で、これを見る限り状態悪くないように見えますが、靴底が・・・

 結構行ってしまいましたね!
レザーソールはもちろん、通気性や返り、足なじみが良いと言われ、とても良いものだと思うのですが、どうしてもラバーソールに比べると、耐摩耗性に欠ける点は否めません。

長く履くとどうしてもこういう状態になってしまいますね。
で、よく見ると・・・

 赤丸のところ、何かキャンパス生地のような布のテープが見えるでしょうか??
これ、何かというと穴の開いている中底に接着されている、「リブ」と言われるパーツになります。
この「リブ」にウェルトという細い革が縫い付けられており、さらにその細い革に、靴底を縫い付けてある作りを、グッドイヤーウェルテッド製法と言います。
「良い靴=グッドイヤーウェルテッド製法」 的な言われ方をする、あのグッドイヤーウェルテッド製法のキモになる部分ですね!
私としては、グッドイヤーウェルテッド製法じゃなくても、良い靴は山ほどあると思っておりますが、俗にいうあれです(笑)。
で、話は戻りますが、このリブが生きていたのは、ラッキーでした。
これが中底から剥がれたり、ここで歩いてしまいウェルトが固定できなくなっていると、大掛かりな修理になりかねないところです。
それでも、何とかはするのですが、出来ればどんなにいっても、「リブ」がダメになる前にはお修理していただけると、お値段的にもリーズナブルに仕上げることが出来ます。


 ちなみにつま先も・・・
 本底がなくなるくらいまでは削れてしまっていました。

で、まずはインソールを外します。
今回は、カカトの下部分だけではなくつま先まで敷いてあるタイプのインソールでした。
 左足は、インソールまで穴が開いています。
靴の方はというと・・・
 インソールを剥がすと、中底にかなり大きめに穴が開いています。
雨の日は大変だったのではないかと思います。

で、今回は・・・
 まずこんな革を用意して・・・

 包丁で周りを薄くすいて、しっかり接着して穴をふさぎます。


 インソールの方もふさぎました。
 で、靴底の方はまず、カカトと、つま先の減ったところには革を。
そして、中央の大きな穴の部分には、なくなった中物のコルクをあてがいます。
で、余分なところを削ると・・・
 こんな感じですね。
とりあえず、靴底がこれでフラットな状態になりました。
ですが、コルクのままでは心もとないので・・・
この上に薄い靴底用の革を貼り厚みを出して表面を整えていきます。
 革を削っている所ですね。
出来るだけ不自然な継ぎ足した感が出ないように慎重に削り込みます。
 こんな感じで、違和感がないかチェックしながら進めます。
で、出来上がると・・・
 こんな感じ。
縫い糸が切れてしまっている部分に関しては、釘で打って固定してあります。
この段階で、歩いて違和感がないであろう状態までもっていくことが重要ですね。

で、これにしっかりと接着剤を塗り込みます。
 ここまで来れば、あとはいつもの作業です!
ハーフラバーを貼って、カカトは今回はラバーヒールで仕上げます。
 ハーフラバーの余分をカッターでカットしている所ですね。

で、グラインダーで周りを整えて、仕上げていきます。
 非常にわかりづらいですが、コバを削っている所ですね(笑)。

で、削り上がると・・・
 足りなかったところを継ぎ足した感じが、塗る前だとわかりやすいですね。

で、前側の靴底も・・・
 違和感なく自然な感じのカーブで仕上がっています。
中央の穴の部分が凹んでいても嫌ですし、革を足した部分が、盛り上がっていても嫌です。
というわけで、貼る前の作業が重要ですね。

 あとは全体を磨いて仕上げてあげればOKですね!!

 これでまた安心して履いていただけるかと思います!!
 こちらのお修理、5356円いただきました。
穴を埋めたり、継ぎ足したりする場合は540円プラスになります。
ヒール2138円+540円、ソール2138円+540円
ですね!
出来れば、2日程度いただけるとありがたいです!!



どうかなー、直せるかなーというお修理、是非お気軽にご相談くださいね。
ちなみに今回のお修理は、他の選択肢としてはオールソール交換も、ありな感じでした。
アッパーの状態も悪くないので、できるだけ新品に近い状態が良い場合はオールソール交換。
オールソール交換ですと10800円~(材料により+あります)、3週間程度となります。
むしろ、時間を早く、お値段的に抑えたいということであれば、今回のようなお修理がよいかと思います!
できるだけ、選択肢を多く出せるようにしたいとは考えております。
もろもろご相談いただければと思います。

それでは皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!