杉並区、上井草の靴とバッグの修理店doekです!!
最寄りの駅は、西武新宿線の井荻駅になります。
10時から20時までの営業、水曜日のみ定休日をいただいております。
配送でのお修理も承っております。
写真をメールに添付して、送っていただければお見積りも出せますので、お気軽にご連絡くださいね
!!
配送修理について→http://doekrepair.wix.com/doek#!untitled/civc
8月16日(火)17日(水)18日(木)19日(金)の三日間、お盆とはずれていますが、当店、夏季休暇とさせていただきます。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
もう一つ、ご案内、私が書いたコラムが、丸井様のサイトに載っております。
ぜひこちらも、ご覧ください!!
カビについて
https://shoeslabo.0101.co.jp/article/foot-leg/shoe-care-repair-storage/30341/
レインシューズについて
https://shoeslabo.0101.co.jp/article/foot-leg/shoe-care-repair-storage/30339/
そんなに難しいことは書いてありません!
よろしくお願いいたします(笑)。
というわけで、久しぶりに猛烈に忙しい、土日が終わろうとしております。
いくらか、涼しかったとはいえ、やっぱりぐったりしますね(苦笑。
お預かりした、靴やバッグ、順番に作業していきます。
恐れ入りますが、今しばらくお待ちください。
さて、そんなこんなですが、今日も修理のご紹介!!
こちら!!
miumiuになりますね!!
プラダの、セカンドライン?姉妹ブランド?になるかと思います。
さすがにちゃんと作られている印象ですね!
で、今回そんな、ミュウミュウのローファーがどうなってしまったかというと・・・
こんな感じで、靴底が剥がれ始めています。
グッと、力を入れると、ベリベリっと剥がれてしまう状態ですね。
余談ですが、靴の作りの話になると、良く出てくる「グッドイヤーウェルテッド製法」や「マッケイ製法」など、靴は、靴底の取り付け方によって、呼び名が変わってきます。
こちらは、いわゆる「セメンテッド製法」。
靴底を縫い付けずに、接着で止めてある作りになります。
で、特に紳士靴で、よく聞く話ですが、「グッドイヤーウェルテッド製法」こそが、本物!!的な話し。
確かにしっかりとした作りで、間違いないとは思うのですが、他の作りだからと言って、決して悪いなんてことはございません。
むしろ、日本で売られている靴の・・・9割以上が「セメンテッド製法」になるかと思います。
9割どころじゃないと思うんですけど、控えめに言って9割です!
そんな大多数である、セメンテッド製法が、そんなに悪いものであるはずもなく、コスト、作業性、デザイン性、もろもろ含めて良質なものは、いくらでもあるということを、ここで声を大にして言っておきたいと思います!!
で、そんなセメンテッド製法、どうしても長く履くと靴底の接着剤が劣化して、剥がれてしまうということが起きてしまいがち。
ただ、これ長く履いて糸が切れた、グッドイヤー製法や、マッケイ製法でも同じことが起こることありますからね!!
で、話をもどして、9割以上の靴がセメンテッド製法である以上、剥がれてしまっている靴、おそらく、とんでもない数あるのではないかと思うんです。
ですが、靴修理にやってくる数、もちろん少ない修理ではありませんが、決して多くはない。
皆様、諦めていらっしゃいませんか!??
靴底が剥がれた靴、直せるんですよ!!!
はい。
結局のところ、これが言いたくて長い文章になりました(笑)。
すみません。。
というわけで、修理のご紹介に戻ります(笑)。
で、まずは。
今回は、手で引っ張れば剥がれる感じだったので、まず靴底をすべて外してしまいます。
すると接着面はこんな感じ。
このままだとよくわかりませんが、ここについている古い接着剤を、まず取り除きます。
いつものように、グラインダーで・・・
ガーーーーっと削り取っていきます。
そうすると、こんな感じ。
ドン。
上の写真と見比べると、かなり白っぽく、黒くなった接着剤が取れているのが、お分かりになるかと思います。
もちろん、靴底側も・・・
びふぉー
あふがー
これでスッキリですね!
この作業、接着の作業において、完全にキモになります!
ここがミソです!
何でもいいですが、重要なんです(笑)。
古く劣化した接着剤の上に、新しい接着剤を塗っても、古い接着剤ごと剥がれてしまいます。
この作業を飛ばして、そのままつけようとすると、一時は付いても、どうしても長くは持ちません。
ということはです。
剥がれた靴底を、ご自宅で、市販の革やゴム用接着剤で接着しなおすこと、実は大変難易度が高いです。
ちょっと出来た隙間に、接着剤を、ちゅーーっと注入。
ギュッと押さえても、やっぱり着かないんです。
実は、革用の接着剤などを買うと、箱や使用方法のところにちゃんと書いてあるんです。
接着する両面を、ヤスリかけをして荒らしてから着けるようにと。
場合によっては、紙やすりが入っている接着剤もあったります。
し・か・し!!これ手で、紙やすりで削っていたら・・・日が暮れます。
靴修理店の機材を使っても、そこそこ時間がかかり、諦めたくなるような作業です。
本当に、今、履いている靴が剥がれたときの応急処置ならば、良いかもしれませんが、ある程度長く履く前提であれば、靴修理店に預けることをおススメ致します。。。
で、話は戻り、接着剤を塗ると・・・
こんな感じで、革に染み込んで色が濃くなっているのが、お分かりになるかと思います。
接着する部分にしっかり染み込むような状態であれば、ガッチリ接着できるかと思います。
これが、上に乗っているだけのような状態ですと、やはり剥がれやすくなってしまいますね。
もちろん、靴側もしっかり接着剤を塗りこみ、ガッチリと乾かします。
しっかりと、塗った接着剤が乾いたことを確認してから、圧着機で圧着します!!
ぷしゅーーーー!
細かいところや、圧着機だけでは不安なところはハンマーも使って、しっかり叩きます。
接着剤をしっかり、乾かして、圧着。
「チューっと注入して、乾く前に抑える」ではないんです。
ちなみ今回の、このミュウミュウのローファー、接着剤を塗ってから30分程度乾燥。
両面にもう一度、重ねて接着剤を塗って、1時間程度乾燥。
それから、圧着。
という流れで作業を行っております。
ちなみに、接着剤のパワーがマックスになるのが、5~6時間後ということになっております。
ということは、その場でお待ちして出来るかというと、正直難しい作業になります。
もちろん、履いているものが剥がれて、歩けない!何てこともあるので、速乾性の接着剤を併用したり、場合によっては靴用の瞬間接着剤もご用意しております。
この辺りは、お預かり出来る時間によって使い分けておりますが、正直なところ、1日以上預かれる、今回の方法が一番安定しているかと思います。
これで、しっかりガッチリ接着できたかと思います。
手の力で悪意を持ってはがそうとしても、ちょっと剥がれない感じです。
おそらく、ペンチを使って本気を出したら剥がれます(笑)。
というわけで、こちらのお修理、片足864円。
両足で、1728円、いただいております。
丸一日預かれると安心です。
ちなみにお値段ですが、今回のような革の靴に、革の底がついている場合は、シンプルな作業になるのでこのお値段になります。
ですが、スニーカーなどウレタンや、塩化ビニールといった、非常に接着剤が着きにくい素材があり、その場合、接着剤の下地に、プライマーなどを使ったりすることがあります。
そうすると、プライマーを乾かすのに、さらに30分、底から接着剤を塗って・・・となりますので、なかなかの手間になってしまいます。
そんな時は、片足1080円、両足で2160円いただく場合がございますので、ご了解ください。
とりあえず、おそらくお持ちいただいて、1週間いただければ、ほとんどの靴底の剥がれを接着することが出来るかと思います!!
剥がれではなく、素材が崩れてしまう加水分解は、別のお話になるので、それはまた別の機会にご説明いたします(笑)。
それでは皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!