2014年2月10日月曜日

オールデンのつま先にトゥスチールのお修理。

皆様こんにちは!
道路にはまだ雪が残るものの、駅から当店まで今朝は怖い思いをしないで来ることができました(笑)。
まだ若干寒いですが、早く春になってほしいですね!!
花粉症なので、それはそれで嫌ですが、やはり春が待ち遠しい気分です。


今日もちょっと余談から入ります。
こちら。

ローファー3足です。
このうち2足はコードバン。
1足はガラスレザーとなっております。
本当は一足、カーフの靴を持ってくる予定が間違えて、コードバン2足になってしまいました(笑)。

念のため、最初に言っておきますが、どちらが良いとかそういう事ではないですよ。
三足とも私の私物です。
正直そんなに差は無い!?と私自身思ったりします(笑)。

正解は、左側がガラスレザーのBASSのローファー。
中央が、みんな大好きオールデンのコードバン。
右側が、アレンエドモンズのコードバンタッセルローファーになります。

左のガラスレザーの靴は雨の日も安心です。
表面がしっかり作られているので、水を概ねはじきます。
もちろん、土砂降りですと、染みこみますよ。

コードバンはと言うと、雨には弱いとされています。
そもそもコードバン、馬のお尻の革です。
馬の革の特徴として、表面のつるっとした銀面と言われる部分が元々無く、イメージとしてはヌバックに近い革です。
それを、つぶしたり磨いたりを繰り返し、つやつやのピカピカに仕上げます。
ですので、濡れるとピカピカだった部分に水が染みこみ顕著にツヤがなくなったりします。

で、ガラスレザーは、こちらは牛革なのですが、牛革を薄くスライスした、下の部分と言えばわかるでしょうか?
つるっとした部分を取り除いた下の部分の革です。
そちらを樹脂などを使い表面をパリッとピカピカに仕上げた革です。

かなり詳細は端折っていますが、概ね間違いないかと思います。
どちらも、銀面の無い革をぴかぴかに仕上げているのですが、表面を見ると。
上がガラスレザー、下がコードバンです。
上の方が細かい皺が入っているのがわかるでしょうか?これが、革の皺と言うよりも表面の合成樹脂の皺になっており、さらによく見ると、細かくひび割れてしまっています。

それに対して、コードバンはツヤがなくなり曇ったような印象。
あとは細かい皺と言うより、うねるような大きな皺がよります。
こちらは、普通に使っていて表面がひび割れるという事は少ないです。
(長く履き続けたり、ビンテージの物ではひび割れたり裂ける場合もあります。)。
ちなみにしっかりお手入れしてあげれば、コードバンのツヤはしっかり戻すことができますよ!!
エイジングを楽しむ!と言う意味では、とても魅力的な素材です!!


そんな感じで違いがあるのですが、よっぽど靴の好きな方でなければ、ガラスレザーの方が扱いやすいことは間違いありません(笑)。
ひび割れてくると言っても、5年程度履いてこんな感じです。
まったく問題ないかと思います。
ただ、好きな方は、いつかはクラウン!いつかはオールデン!!だと思います(笑)。
お値段的にも・・・一般的には4倍~5倍するでしょうか?
希少性もあいまって、コードバンはお高い高級素材です。


で、本題に入ります!!
そんなお高い高級素材のコードバンなので、しっかり頑丈に、それでいてお洒落にして履きたい!!
と言うわがままなご意見を満足させるべく(笑)!!


主に紳士の革靴につける事の多い、トゥスチールが入荷いたしました!!
ここまで、長かった(笑)。

基本は革底の靴にお勧めいたします。
革底の靴のほうが、足馴染みも良かったり、汗抜けが良いなんて事も言われます。
後は、革底なんだぜ!!という優越感でしょうか(笑)。
しかしデメリットとしては、滑りやすかったり、ゴム底に比べ磨耗に弱かったりします。

その、磨耗に弱いと言うデメリットを解消するための、トゥスチールです!!
残念ながら、よりいっそう滑りますが、つま先だけなのでそれほど、滑ると言う意味では影響は無いかと思われます。

まずは、上の写真のように、トゥスチールを埋め込む分だけスパッと削りこみます。
このブログでも何度か、ご紹介しておりますが、スパッとたいらに、まっすぐに削ることが、私ども靴修理職人には必須の技術となります。
慣れると、言うほど難しいことでもなかったりはするのですが、通常つけるゴムや、革に関しては、材料そのものにも柔らかさがあり、多少まっすぐでなくても、接着剤と熱でしっかりと固定することができます。
ただし、今回のスチールに関しては、接着せずネジで打ち込んでいくため、基本的には本当に真っ直ぐでないと、おかしな隙間が空いてしまいます。
いつも以上に、慎重に、時には包丁を使いながら丁寧に仕上げていきます。
そして、ピタッとずれないように、ネジで固定して、周りを最小限削り、段差を無いように仕上げます。


いかがでしょう?革の部分と金属の部分にまったく隙間無く仕上げることができました。
もちろん底側も、ピターッと合っています。
カカトとつま先はどうしても、すぐなくなるので、新品のうちに取り付けても、まったく問題ないかと思います。
むしろその方が、綺麗に決まりますし、様にもなったりします。
お洒落です!!

滑るのや、磨耗に強くするのに、せっかく買ったオールデンに、ハーフラバーを貼るのはちょっとなあ、という方!
これで、ガシガシ履いても、つま先ばかり減ることを気にしないですむかと思います!!
こちらのお修理、3150円となっております。

在庫のサイズが合うようでしたら、当日のお修理が可能です。
スムーズに行けば・・・30分程度でしょうか、ちょっと長めにいただけると、ありがたいですが、頑張ります!!

文章ばかり長くなりすみません!
皆様のご来店お待ちしております!!