2014年2月22日土曜日

本クレープオールソール修理。生ゴムオールソール。

皆さんこんにちは。
靴とバッグの修理店doekです!
西武新宿線、井荻駅南口を出て右へ、環八をくぐって、そのまま環八沿いへ左へ折れると、当店すぐ見えると思います。
ドラッグストアぱぱす、焼き鳥屋さん、その隣です!!
黄色ののぼりが出ているので、わかりやすいかと思いますよ!!


さて、今日は。

かっこいい靴がやってきました!

L字のストームウエルトからの、ガツの張り出したコバ(靴底)、仕上がり、いかにもアメリカ!!っていう感じです。
中敷にはうっすらとですが、椅子に座ったお父さん?が靴を作っている刻印が。
これで、ピンと来た方は靴マニアです(笑)。
今はなくなってしまった、ネトルトンのウイングチップですね。
思わず欲しくなります(笑)。

で、今回はどうするかと言うと、靴底をすべて取り替えて欲しいとのご要望です。

そこでまず。
こんな感じで、かかとを外します。
突き刺しているのはマイナスドライバー。

グッと力を込めると、こんな感じでカカトが取れます。
かなりゴツ目の釘がたくさん打ってありました。
これを全部抜いてあげてから、本底を外します。

まず周りの縫ってある糸をグラインダーで削り落としてしまいます。
そうすることで、当然底が外しやすくなります。
で、グーッと靴底を引っ張ると。

こんな感じで、靴本体とミッドソール、本底の3種類に分解できました。
ちなみに、一般的な靴はミッドソールはありません。
かなり底を厚く仕上げる時くらいですね。

そして、靴側に残っている縫い糸を一本残らず丁寧に抜いていきます。
なかなか、地味な作業です(笑)。
抜き終わるとこんな感じ。
一部コルクが弱っていたので、靴底を剥がす際崩れてしまいました。

ちなみにですが、偶然にもコルクが剥がれてしまったので、ご説明。
今靴の裏の部分です。
この靴、いわゆるグッドイヤーウエルテッド製法の靴です。
ボールペン側に見えている、白い布のようなテープのようなもの、これをリブと言います。
このリブが、中底の裏に接着してあり、そのリブに対してウエルトを縫い付けます。
今ボールペンが指している部分と、目打ちの指している部分が縫ってあります。
これが取れると、かなり厄介です。
滅多なことではここまで壊れるお客様はいらっしゃらないのですが、ここが壊れてしまい、ウエルトを交換するとなると、オールソール交換のお値段が一気に倍増いたします。
ほとんどそんな事はありませんがお気をつけください。

ちなみにこちら、向かって左側の方だけ、崩れているコルクを補充しました。
全部とっててんこ盛りにコルクを入れなおしても良いのですが、(コルクはクッションの役割もします。多いと気持ち良いです。)ヴィンテージの靴なので、できる限りもとの雰囲気で仕上げたいので、必要以上には補充しませんでした。

それにしても、ここまでびっちり中にコルクが詰まった靴はなかなか見かけません。
現行の靴だと、スポンジで代用していたりもします。


そして、底部分に薄いミッドソールにあたる生ゴムを接着して縫っていただきました。
この周りを縫う作業、実はこの部分に関しては当店では場所の関係もあり出来ないので(専用ミシンが、とんでもなく大きいです(笑)。)、信頼できる業界の大先輩にお願いして縫っていただいております。
下の写真を見るとわかるのですが、元のミシン目通り、バチッと仕上げてくださいます。
美しい仕事です。

そして、このミッドソールに対して、本底になる生ゴムのクレープソールを接着します。

こういった形で、しっかり接着して、形を整えます。
あとは、しっかり元と同じ高さで、かかとをつけていくと。。。



いかがでしょう?元々のレザーソールが、クレープソールに生まれ変わりました。
このままも格好良いですが、ちょっとカジュアルすぎるので、今回はクレープソールを着色していきます。

こういった形で黒く直色します。
剥がれて黄色くなったりはしないのでご安心ください。
むしろ、黄色いまま使いたいと言われる方が、難しいです。
黄色いまま使っていても、強力に汚れやすい素材なので、程なくして黒くなります(笑)。
これで完成です!!
元よりも靴底が若干さらにボリュームアップしています!!
革底に比べ、クレープソールは弾力があるので履きやすいですし、滑りづらいと思います!
こんなお修理もありですよ!!

ちなみにこちら、9450円で、2週間程度いだきます。

ちょっとしたカスタムや、リフォーム。
修理だけでなくドシドシご相談くださいね!
皆様のご来店心よりお待ちしております。。