2014年3月1日土曜日

シューケア。靴磨きについて。

皆様こんにちは。
あっという間に2月が終わり、今日から三月ですね。
昨日の暖かさから、一転また寒くなっていますが、そろそろ春がやってきそうで良かったです(笑)。

さて、今日は。
ちょっと長くなりそうですが、靴磨きについて。

以前後ここでご紹介しましたが、こちら!
右から、
ステインリムーバー 630円
リムーバークロス 420円
ペネトレイトブラシ 420円
乳化性靴クリーム 840円

同じく右から
ワークブラシ 840円
ポリッシンググローブ 525円
ポリッシングコットン 420円
キウイ油性ワックス 630円(取り寄せ)

とりあえず、今回使うのがこちら。
ここまで揃えなくても、もちろん磨くことは出来ますが、あると便利なアイテムです。
好きな靴を磨く、実用はもちろん、半分趣味のようにして磨く場合、全部揃ってる満足感はプライスレスです!!

ちなみに、使う順番にご紹介しました。

という事で、まず。
いきなり裏技ご紹介します(笑)。
今写真のほぼ中央、つま先のあたりに、小さな傷があるのがわかりますでしょうか?
正直、気にせず普通に磨いていただいても、全然気にならない程度には仕上がります。

ですが、私、お代をいただいて靴をお預かりする以上、極力完璧を目指します。

革が今回のように捲れてしまっている場合は、ごく少量の皮革用の接着剤で剥がれないように接着します。
これ、市販の皮革用の接着剤でも大丈夫です。
ただ、間違っても靴の表面に関しては、アロンアルファのような硬くなる接着剤は使わないでくださいね。
取り返しがつかなくなりがちです。
で、今回ご用意したのがこちら。
わかりにくいですね(笑)。
これ、紙やすりです。
今回は1000番を使いました。
これで、凹凸が出来てしまっているところや、先ほど接着して若干段差があるところを、削ってしまいます。
削ると言っても、うっすら表面の黒が白くなる程度です。

牛革に関して言えば、表面の銀面と言われる繊維の細かい層と、床(トコ)なんていわれる繊維の荒い部分に分かれます。
で、銀面自体の厚さも、実はそこそこあります。
0.5ミリとかはないと思いますが、1000番のヤスリで表面をやすって、いきなり床面が出るほど薄くはないです。
ちなみに。
手元にこんな革があったので、斜めに削って見ます。
ちょっと写真だとわかりづらいですが、写真上から、下のほうに行くにしたがって、深く削ってあります。
で、いま、左側から出ている目打ちの先がわかるでしょうか?
このあたりまでが、銀面だと思われます。
写真一番下までいくと、この写真で見ても荒い感じなのがわかります。
ですので、繊維が荒くなる手前までは、軽くやすって、表面を整えても後々問題ありません。
ヤスリは、800番以上のものがお勧めですよ。
荒いヤスリでいくと、思いのほか深く削れてしまったりします。

これ、あくまで裏技です。
一般的にはやらなくても全然かまいません(笑)。
よりマニアックに靴磨きを楽しみたい方はやってみてください。


次に、こんな感じでステインリムーバーをリムーバークロスに適量付けて靴全体をこすって汚れを落としていきます。
今回、タオルでやっています、タオルでもかまいません(笑)。
しいて言えば、この作業に関してはある程度荒い布が良いです。
手ぬぐいとか、タオルとかです。
その方が、古いクリームなどの汚れをしっかり取ることができます。
靴紐取り忘れていたので、途中でとりました(笑)。
あと、キーパーがあれば入れてあげると、履き皺が伸びて、そこにたまりがちな汚れを、綺麗にとることが出来ます。
全体に、ツヤ感がなくなりました。
以前に磨いていた靴クリームがしっかり落ちた証拠です。
これで、いわゆるすっぴん状態です。
すっぴんにしてあげることが重要です。
毎回とは言わないので、靴磨きをする3回に1回程度は、しっかりすっぴんにすると良いと思います。

黒い色が若干落ちて、白っぽくなっているのがわかるでしょうか?
このすっぴん状態ですと、逆に汚れが付きやすいですし、表面もまったく保護されていない状態なので、靴クリームをペネトレイトブラシで擦りこんでいきます。
イメージは、小さく円を描きながら塗りこむ感じです。

ブラシですと、こういう隙間までしっかり靴クリームを入れることが出来ます。
便利です。
ちなみに無ければ、使い古しの歯ブラシでもかまいません(笑)。

そして、次に大き目のワークブラシでガシガシと、全体をブラッシングします。
『ブラシでゴシゴシやりすぎると、傷が付きそう』なんて事をお客様に言われることがあります。
ですが豚毛や化繊、もちろん馬やヤギの毛のブラシで皮革に傷が付くほど、皮革は弱くないので安心して、ゴシゴシやっちゃってください。

どのくらいかと言うと。
初の動画です。
どんな感じでみられるのでしょうか(笑)。


で、ブラッシングをするとこんな感じ。
右がブラッシングをした方、左がする前です。
以前も書きましたが、クリームを塗った後に乾拭きではなく、ブラッシングです!!

クリーム→ブラッシング→乾拭き!!!

です。
よろしくお願いします(笑)。

そして、最後にポリッシンググローブで乾拭きをすると・・・
美しい!!
いかがでしょう?
男前が上がります。
これで、通常のシューケアが終了です。

つま先の傷もほとんどわからなくなりました。


で。
終了なのですが。
ここまでは、一般的に是非やっていただきたい靴磨きです。

ここからは、ドラクエならばラスボスがやられた後、さらに変化して強くなる感じです。

いわゆる『鏡面磨き』に突入です。

私は、好んでキウイの油性ワックスを使います。
まあ、これは好みでしかないので、油性の缶に入った固形のワックスでしたら、大体同じとお考えください。
ちなみにモウブレイ、サフィール、キウイを使ってみましたが、キウイが私はやりやすかったです。
まず、コツはポリッシングコットンをしっかり指に巻いて、磨く面を出来るだけ平らにすること。
ポリッシングコットンと言っておりますが、これも重要です。
当店で売っているものでなくても良いですが、ネル生地が良いです。
外の生地ですと出来なくはないですが、時間がかかると思います。

で、パンっと指先の部分にネルを張った状態で巻いて、まずワックスを薄く塗ります。
これも、小さく円を描くようにクルクルしていきます。
この写真のつま先の曇っている部分が、塗ったところです。
クルクル塗りこんでいると、途中で明らかにネルのすべりが悪くなります。
そうしたら・・・
1滴水をつけて、またクルクルと磨いていきます。
水1滴ですべりがかなり良くなります。
このクルクルに関しては、かなりソフトタッチで良いと思います。
あまり、力をいれずに、表面をなでる感じです。
なんとなく表面がモヤモヤした感じになって、光ってきているのがわかるでしょうか?

この、ワックスをネルにとってクルクル、水を1滴、クルクル。

これを・・・5回~6回・・・もっと繰り返すでしょうか?
ちょっと革の状態にも寄るのでなんとも言えないですが、割りとなれている私でも、両足やると順調にいって、30分~40分くらいかかります。

ちなみに最初にネルを指に巻いたまま、そのままで行きます。
同じところで、ワックスを取って塗り続けます。

調子に乗って、動画2個目です(笑)。
いかがでしょう?
この動画が最終段階です。
まだムラがあった状態から、グッと突然仕上がるのがわかるでしょうか。
この瞬間ぐっと来ます(笑)。
最後のほうになると、水の頻度が高くなります。
このあたりは、経験としかいえないので、チャレンジする方は頑張ってください。
右が鏡面磨き、左は通常の靴磨きです。
並べると違いが一目瞭然ですね。
鏡面磨きはつま先の芯が入っている部分、カカトの同じく芯が入っている部分を重点的に行います。
何故、光っているかと言うとワックス(蝋)が革の表面の凹凸を埋めてフラットになっているので、光ります。
つま先やカカトの芯がはいっている部分は、基本的に屈曲しないので問題ないのですが、靴の普段から屈曲する部分にはワックスで表面をフラットにしても、曲がったとたんに表面が荒れます。
また、蝋なので寒いと白く浮いたりまします。
ですので、私はつま先と、カカト、あとごく軽く、靴底に近い位置をつま先からカカトにかけて繋ぐように光らせます。
そうすると、つま先だけピッカピカだね、っていう感じではなくまとまります。
今回はカカトや、つま先も修理させていただいたので、安心して履いていただけますね。
これは、男前です!!

靴磨き、1050円で承っております。
鏡面磨きも含まれたお値段となっております。
ナチュラルに仕上げたいか、バキッとピカピカにしたいか、そのあたりはお好みに合わせてお磨き致しますので、お気軽にご要望ください!!
光りすぎるのも、いやらしいと言われたこともございます(苦笑。

鏡面までする場合は、出来れば翌日のお渡しでお願いいたします。

ご自分でチャレンジするのもお勧めですよ!
光ってくると楽しいです。
自分の愛靴にさらに、愛着がわきますよ!!
鏡面磨きをガッチリした場合は、その部部に関しては、すっぴんに擦る回数を減らしても良いかもしれません。
革に良いかどうかは別にして、全部落とすのに、あまりゴシゴシ

それでは、皆様のご来店心よりお待ちしております!!