2014年4月20日日曜日

靴のお手入れの注意点!

皆様、こんにちは!
なんだか冬に戻ったような気がするのは私だけでしょうか。
これは、気をつけないと体調を崩します。
常々思っているのですが、心の健康も体調からくる気がします。
体調を崩すと、良いこと一つもないので、気をつけるようにします。


さて。
今日は、ちょっと修理のご紹介とは少し違うのですが、お持ちいただいた靴の写真をまずご覧ください。
左がお持込いただいた状態。
右が仕上げなおした状態です。




左の写真は表面がボコボコして、ぎらついているのがお分かりになるでしょうか?
本来あるはずの縫い目もほとんど見えなくなっています。
右はつるっとしており、飾りの縫い目もきれいに見ることができます。
今度は上下になってしまい、すみません。
上が、作業前、下が作業後です。
こちらも同じように、ぎらぎらとして、ひび割れが目立ちます。

カカト部分も同じような状況です。

この靴、実は特別おかしな事をしていたわけではありません。
むしろ、お手入れをしながら履いていらっしゃった靴です。
何でこういう状態になってしまったかと言うと、液体の靴クリームを使われていたとの事。

商品名を出すと良くない気がするので・・・。
 
ちょっと写真がおかしなことになっていますが、商品名のところはグシュグシュッとしてあります。
この商品がと言うより、キャップを取るとスポンジが付いていて、液体を靴の表面に塗るだけでピカピカ、みたいな商品が要注意です。
スーパーのレジの横辺りに良く見かけます。
そのくらい売れているんですね、きっと。


こういった商品、実に手軽で手も汚れず、そのまま塗って乾かすだけで、ほんとに靴はピカピカになります。
極端なことを言うと、ものすごくたくさん外を歩く営業の方で、仕事靴は3ヶ月で捨てます!!と言う方であれば、この商品良いと思います。
ただ、逆にいい革靴を買ったから、お手入れしながら長く履きたいな、と言う方にはあまりお勧めできません。

通常当店でも使うような靴クリームに関して言えば、水と油とワックス(蝋)が主成分になります。
このワックスが、靴の表面の細かな傷や凹凸を埋めて表面が光って仕上がります。


こういうペトッとしたタイプですね。
イメージとしては・・・ピーナツバターほど硬くは無いので、マーガリンくらいでしょうか。
もう少し柔らかいかもしれません。
ですので、汚れ落しを付けて拭き取ると比較的簡単に落とすことができます。

で、上でご紹介した液体クリームは、有機溶剤か油脂の成分が違うと思うのですが、表面の凹凸を埋めてツヤを出すのは同じなのですが、埋め方が非常に強力です。
使用上の注意にはクリーナーで落としてから塗るよう指示はあるのですが、市販されているクリーナーで落とすことは、ほぼ不可能です。
ツヤがなくなってきたら、上からまた塗るという事を繰り返していくと、今回お預かりした靴のように、表面がガビガビ?になってしまいます。
ほとんど表面がプラスチックのように硬くなります。

ケースバイケースにはなるのですが、やはり当店では液体のタイプは取り扱いを致しません。
実はなんどか、塗るだけで光るやつないの?といったご要望もあるのですが、皮革にとって良いとは思えないので、申し訳ございませんが今後も取り扱いの予定はございません。

多少手間になってしまいますが、クリームのようなタイプをお勧めしております。


ちなみに、今回靴をきれいにした作業は1080円となります。
表面に、こびりついてしまった液体クリームを落とすのには、シンナーで落としていきました。
作業的にもシンナーを使い続けるので大変ですが、靴の皮革にとってもけして優しい作業ではないと思います。
大事な靴には、できれば液体靴クリームで艶を出すのは控えることを、お勧めいたします!!

靴のお手入れ方法など、ご相談だけでも結構です。
気になること等ございましたら、お気軽にご来店ください。
もちろんメールでも受け付けております!!

それでは、皆様のご来店心よりお待ちしております!!