2014年11月1日土曜日

続 革靴のキズ補修。

皆様こんにちは!!

西武新宿線、井荻駅の靴とバッグの修理店doekです!!

せっかくの三連休だというのに、雨のスタートになってしまいましたね。
あんまり、天気は良くならないらしいのは、少し憂鬱になりますね。

さてさて。
だからといって、元気が無いかといえば、そんなこともなく、張り切ってお修理しておりますよ!!

今日ご紹介するのはこちら!!

 今回は、左足だけ2足お持込みいただきました。
どちらも良い靴ですねー♪

で、どうなってしまったかというと・・・
 左のダブルモンクの靴、中央に大きめに傷が入っているのが、お分かりになるかと思います。
今回はこちらの補修ですね。

で、ストレートチップの方はと言うと・・・

 赤い丸の辺りの黒ずみ、お分かりになるでしょうか??
実はコレ、靴クリームとクリーナーでほとんどわからなく出来るんじゃないのかな?と最初、思っておりました。
ですが、この部分、全体に擦れた感じになっており、一度この黒ずみは消せるものの、無色のクリームを入れてもギュンっとクリームが染みこんで、また黒くなってしまうという、なかなか厄介な状態でした。

今回はこの二足を平行して進めていきます。
クリームでは歯が立たない事がわかったので、今回は前回同様、顔料を少し使いながらの作業になります。

で、まずはクリームの油分や汚れが残っていると、顔料が剥がれやすくなってしまうので、根こそぎ落としていきます。
そうすると・・・
 ・・・チョー怖いです(汗。
正直、何回かこの手の靴もやったことが、ありますが、ここまでバッキリ色が落ちると、大丈夫とわかっていても嫌です(苦笑。

ですが、クリーナなどを使って、こういう素の状態に戻すことの出来る革は、表面を加工しすぎていない、より素に近い、良い革ということが出来るかと思います。

逆に言うと、今回の作業、水がかかると、スッと染みこむようなナチュラルな革に対して、少なからず顔料で表面を覆うことになるので、銀面の素な感じが損なわれるデメリットがあります。

そのデメリットを最小限に抑えつつ、見た目を最大限綺麗にしていくバランスが、『ミソ』になるかと思います。

 クリーナーでも検証済みですが、キャップトゥ、ここまでは黒ずみが落ちるんです。
ですが、水分や油分がちょっと入ると、あっという間に元の黒ずみが返ってきます。

 こちらは傷なので、色が落ちても、もちろん傷が残って見えますね。
こちらは傷をパテで埋めて、ヤスリで整えてから、顔料で捕色していきます。


 これ、顔料を塗って仕上げている途中です。

 まだ、黒ずみが見えてしまいます。
この後、薄めた顔料を何度か繰り返し塗りながら、調整していきます。

で、仕上がりがこちら!!

 若干、黒ずみが残っています。
ただ、むやみに厚塗りをして、革の雰囲気を壊すような仕上げはしたくなかったので、このくらいで、止めた感じになります。
中央部分の傷に関しては、ほとんど深追いしていないので、そのまま残っているのがお分かりになるかと思います。

で、もう片方はというと・・・
 こんな感じ。
いかがでしょうか?最初に比べると、だいぶ傷が目立たなくなったかと思います。
こちらも同じく、完全に傷が見えなくなるほど、塗り重ねてはおりません。
あくまで、自然な雰囲気を残しながらの作業になります。

最初の状態に比べると、だいぶ目立たなくなったかと思います。

この作業に関しては、正直作業する人の、好みが大きく反映するかと思います。
全体を同じ色で、均一に塗り尽くすことも、作業的には不可能ではないかと思います。
ですが、そうすると、どうしても革の良さが損なわれてしまう、先程も書きましたが、そのバランスが非常に難しいかと思います。

もちろん、革の素の状態が良いからといって、傷がガッチリ残ったり、見ために良くないほどのシミが付いたまま履いているのも、いかがなものかと思います。

そこいらあたり、これはお任せでのお修理になってしまいますが、お気軽にご相談ください。
作業前に、メリット、デメリットご説明させていただきます。


こちらのお修理、1620円づつで3240円、一週間いただいております。

お値段に関しては、両足で、3000円~5000円程度と幅を持たさせていただいております。
状況や色によってもお値段が前後いたしますので、ご了承ください。

それでは、皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!