2014年9月14日日曜日

アレンエドモンズ、コードバンが破れた!!!

皆様こんにちは!

西武新宿線、井荻駅の靴とバッグの修理店doekです。

だいぶ過ごしやすくなりましたね。
今日くらいの暑さが調度良く感じます!

3連休、皆様いかがお過ごしでしょうか??
Facebookを見ていると、お祭りも多いようですね。
この三連休はおでかけ日和が続き何よりです。
ぜひ、井荻もおでかけコースに追加してくださいね(笑)。


さてさて、今日ご紹介するのはこちら!!
 どどん!!
もう、惚れ惚れいたします。
Allen Edmonds のコードバン(馬のおしり)、ウイングチップになります。
この色合い!!!
もう、なんていうか、美しいです(笑)。
アレンエドモンズは1922年創業の、アメリカの靴メーカーとなります。
話し出せば色々とあるのですが、私の様な仕事をしていると、やはり特筆すべきは作りです。
なんと、釘やシャンクと言った金属のパーツを使わずに作るそうです!!
これ、たぶん普通の方が聞くと、『へ~』という感じだと思うのですが、私初めてそれを知った時は『!!!・・・!?・・・うそだぁ』となりました(笑)。
ほんとなんですコレ。
凄いことなんですよ、まあ、正直な所知らなくても一切困らないディティールなのですが(笑)。

もちろん履き心地もよく、私も2足ほど持っております。

で、話はもどり、この素晴らしい靴がどうなってしまったかというと。

 お分かりになるでしょうか??
靴紐を通す穴にそって、コードバン(馬のおしり)が裂けてしまっています。
もう、これ、自分の靴だったらショックで泣いてしまうかもしれません。
どうしても、ヴィンテージの靴ですと起こりえるハプニングとなります。
かと言って、コレで諦められる靴ではないですよね!!
お持ち込み下さったお客様の気持ちが痛いほどわかります。

残念ながら、今回、この色のコードバン(馬のおしり)を修理用にご用意することは出来ませんでした。
そこで、出来るだけ目の細かい牛革を使用して補修していきます。


 まず、生成りの牛革を、染料を調合して染めていきます。
出来るだけ近い色に、出来るだけ目立たないようにお直ししたい一心で、色付けします。

そして、コードバン(馬のおしり)ほどの透明感のある艶は難しいのですが、出来る限り銀面をつぶし、ツヤを整えていきます。
 いかがでしょうか?
だいぶ近づいたかと思います。

で、コレを破れてしまった部分の補強になるサイズ感にカットします。
 こんな感じですね。
裏地には、金属の裏ハトメが入っているため、縫い付けてからでは穴を開けることが出来ません。
ですので、パーツを作った段階で、ピッタリ来る位置に予め穴を開けておきます。
実はこの作業が、結構シビアでした。

・・・!?
裏ハトメ、金属!!!
えー訂正いたします。
一部、金属も使っている模様です(苦笑。

 金属が使われていたショックを物ともせずにブログを続けます。
上がパーツを縫っているところですね。
お分かりになるでしょうか??
ぎりぎりのサイズで貼り付けて、元々あるミシン目を利用して縫い付けていきます。

下が出来上がりの写真。
上川はもちろん、下側の縫い目が秀逸です(←自分で言った)。
ダブルステッチになっている下側の縫い目、ダブルの片方にだけ革がかぶさるように、パーツを調整して貼り付け縫ってあります。
ですので、元のラインに限りなく近い仕上がりになっているかと思います。
ダブルステッチの下の縫い目は元々のステッチ。
上の縫い目は私が縫ったステッチです。

わかっていただけるでしょうか??
結構細かい作業なのですよ(笑)。



パッと見たら概ね修理をした感じがわからないのではないかと思います。

靴紐を通して、ちょっと引きで見ると。
 美しいです。
再び、自画自賛(笑)。
もう少しよっても、言われないとわからないのではないでしょうか???

ごきげんな仕上がりとなっております。

こちらのお修理、2160円。
期間が1週間程度いただきます。

ちなみに。
コードバンは、馬のおしりの革です。
私、この革大好きであります。
女性のおしりも大好きですが、コードバンも引けを取りません(笑)。
お洒落好きのメンズならば一度は憧れる革で間違いなかと思います。
コードバンに付いては、又の機会に熱く熱く語らせていただきます(笑)。


出来る限り、元に近い状態でお直しをするよう心がけております。
どうにかならないかなあ!!という靴やバッグ、ございましたら、お気軽にご相談くださいね!!

皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!