2014年10月28日火曜日

革靴、傷の補修。

皆様こんにちは!!

西武新宿線、井荻駅の靴とバッグの修理店doekです!

今日はグッと冷え込みましたね。
木枯らし一番が吹くかもしれないようなこと、天気予報で言っておりました。
木枯らし一番って、毎年ありましたっけ(笑)??
春一番は良く聞く気がするんですけどね。。。
とにかく、そろそろ本格的に寒くなるっていうことですね。

私若干、風邪気味です!皆様も風邪などひかれぬよう、お気をつけ下さいね!!



さてさて、今日ご紹介するのはこちら。
 こちらの紳士靴、ごめんなさい、メーカーは確認し忘れました。

いわゆる『ガラス革』と言われる革で出来ています。
ガラス革とは、革の銀面(表面)を無い状態にした革を、合成樹脂で加工して、銀面(表面)を作った革になります。
革の銀面が無いというと、語弊がありますが、一般的に表面にくる銀面部分が、傷だらけだった時など、表面をヤスル、削るなどしてフラットにしてから、加工しているので、均一な表面の、それでいて革としての耐久性がある非常に扱いやすい革の加工になります。

メリットとしては、表面の凹凸が限りなく少ないので、基本ピカピカです。
ローファーなどをイメージしていただけると良いかと思います。
で、しかも表面は合成樹脂でできているため、水が染み込みにくいです。
汚れた場合も、水拭きしてしまって特に問題ありません。

デメリットとしては、逆に表面が合成樹脂で覆われているため、靴クリームがほぼ浸透しません。
表面が裂けたり擦ってしまった時などは、非常に修復しづらい一面があります。


で、そんなガラス革で出来た靴がどうなってしまったかというと…。



こんな感じで、特に爪先部分を中心に傷が入ってしまいました。

先ほど、デメリットでも上げたとおり、この手の革に関しては非常に、修復が難しいです。
特に、このお色は、ガラス革でなくても、難易度が高い色かと思います。

こんな時は靴クリームだけでは、なかなか綺麗にするのが難しいです。
そんな時、当店ではどうするかというと、まず全体をしっかりとクリーニングします。
場合によってはシンナーなどを使い極力表面の汚れ、脂分を除去します。

そして・・・
 こんな感じで、大きな傷部分を、革用のパテでしっかりと埋めていきます。
爪先部分の大きなスレも同様にパテで固める感じにします。

上の写真は、多めに持ってしまった部分を紙ヤスリで削って落としているところですね。
もちろん、極力凹凸がなくなるように仕上げていきます。


 こんな感じですね。
傷の中に白っぽいパテがしっかり残っているのがわかるかと思います。
ヤスリながら作業しているので、気持ち色が薄くなっていますね。
で、この後、極力近い色の顔料を作って、重ねて塗っていきます。
残念ながら、作業中の写真がありません(苦笑。
まあ、極めて地味に筆で塗り重ねる感じです(笑)。

で、最後にいつもどおり、靴クリームを入れて仕上げます。

 出来上がりが、こちら!!

 ドスン!
一番大きな長い傷は若干見える感じです。
コレが見えなくなるほど厚塗りは怖くて出来ませんでした。
 傷が多かった左足もこんな感じ。
だいぶナチュラルに直せたのではないかと思います。


写真の具合で、ちょっと最初より濃くなったようなイメージですが、ほとんど色は変わらず仕上げております。

こちらのお修理、6480円いただいております。
期間は1週間。
キズ補修は、傷の状態、革の種類によって、かなりやり方、時間に差がでてしまいます。
お値段がその分前後することもございますので、目安程度に考えていただければと思います。

ガラス革に関しては、もともと表面がかなり作ってあるので、顔料での仕上げが非常に愛称が良いです。
逆にアニリン仕上げの革や、クリームの入りやすいカーフなどは、表面の良さを殺してしまう場合があります。
その辺り含めて、ご相談させていただければと思います。

それでは皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!