2014年6月14日土曜日

ビブラム2055オールソール交換

皆様こんにちは!!
西武新宿線、井荻駅の靴とバッグの修理店doekです!

井荻の町は久しぶりに一日、良いお天気でしたね。
ちょっと暑いですが、やっぱり雨でむしむしするよりは天気が良い方がいいです!

さてさて。
今日ご紹介するのはこちら!!

良いです!!スエードのローファー。
基本的に私、ローファーが大好きです(笑)。

で、どうなってしまったかと言うと。
こんな感じでソールに穴が空いてしまいました。
革底はゴム底に比べると磨耗が早いです。
さすがに、これ以上このまま履くのは危険です。
中底に穴が空くと、直せなくはないですが、綺麗には直らなくなってきます。

で、今回は・・・・
まず、こんな形でカカトを外します。
あっさり取れているようですが、結構、力技です(笑)。

そして、こんな感じで、靴底の周りを縫っている糸を、靴底ごと削って切っていきます。

で、靴底を剥がすとこんな感じ、靴のカカトの部分から土踏まずくらいの部分にかけて、木製のシャンクが入っています。
現行の靴は金属のシャンクが入っている場合が多いですが、木製のものが入っていると、勝手に『おーーー!』と思います(笑)。
で、靴の前の方、元々ここはコルクがびっしり詰まっていたはずなのですが、年月を経てコルクがかなり硬化したり、かけてなくなったりしています。
オールソール交換も、初めてではないようでコルクが2種類になっていたりしました。

で、残っているコルクを出来るだけ取り除き、縫い糸の残りも全部はずしたのがこちら。
靴の中はこんな感じになっています。

これが、何度かご紹介している、グッドイヤーウエルテッド製法になります。
赤い矢印で『リブ』と書いてある白い帯状の物、これがそのままですが『リブ』になります。
この『リブ』という、白いT字型のテープ状のパーツが、中底の裏に強力に接着してあります。
そして『リブ』に対して、アッパーとウエルトがミシンで縫いつけてある作りを、グッドイヤーウエルテッド製法になります。

ちなみに、ハンドソーンウエルテッド製法ですと、この『リブ』がありません。
中底に段差が出来るように溝を掘り、底にアッパーとウエルトを手縫いで、すくい縫いしていきます。
それが、ハンドソーンウエルテッド製法です。
それはまた、機会があればご紹介いたします。

で、コルクを抜いてしまったので、新たにコルクを詰めなおします。
こんな感じで、隙間無くびっちりとコルクで埋めます。
理想?は、練りコルクといって、コルクの粉末を接着剤で練って、それをここに詰め込んで固めるのですが、今回は板状のコルクをしっかりと貼りこみ削って形を整えています。

で、ここでちょっとしたハプニング。
全く写真がありません(笑)。

この後、この状態の上に本底になる、ビブラム2055ソールを接着し、アウトステッチをかけてもらいます。
アウトステッチとは、靴底と靴本体に縫う部分のことなのです。
こちらに関しては、私は技術的にも無く、また、この店頭にアウトステッチ用のミシンは到底置けないので、大変信頼できる業界の大先輩へお願いしております。

で、そのあと、カカトを着けて全体を整えると!!!

 こんな感じで出来上がります!!
出来上がりの写真があってよかったです(汗。
イギリス製のダイナイトソールに近いデザインですが、イタリア製のビブラム社の靴底になります。
アウトステッチのピッチも細かく良い感じです!



革底から、ゴムの底に変えたので、滑りにくいですし、かなり扱いやすくなるかと思われます。
中のコルクも入れ替えてあるので、クッション感も期待が出来ます。

こちらのお修理、ビブラム2055おーるそーる。
10800円となっております。
お時間は、3週間いただいておりますが、だいたい2週間で仕上がります。
念のため、材料が無い場合等ありますので、3週間は覚悟してください(笑)。

ちょっと、後半の作業風景が無く残念でしたが、雰囲気はわかっていただけたでしょうか??
今回のみそは、コルクの交換の辺りと、リブがご紹介できたところですね。
個人的には満足です(笑)。


まだ修理できるかな??と言うものでも、是非ご相談ください!!
明日は、ワールドカップもあるようですが、当店10時から無駄に元気に営業しておりますよ(笑)!
試合見終わってから、こぞってご来店いただければと思います!!

それでは皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!