2014年5月15日木曜日

ブーツカット。ロングブーツを短くする。

皆様こんにちは!
西武新宿線、井荻駅の靴とバッグの修理店doekです!!

今日も穏やかに晴れていますね。
昨日も天気が良く、定休日という事もあり、散歩がてらふらっと井荻森公園へ行ってきました。
初めて昼間に入ったのですが、思いのほかたくさんの亀がプカプカ浮いていたり、コガモがたくさん泳いでいたりと、おおいに癒されてきました(笑)。

さて。
そんな感じでリフレッシュできたので、また今週も頑張りますよ!!

さてさて。
と言うわけで今日はこちらの靴。
 かなりヴィンテージ的な雰囲気をかもし出しております。
足の甲部分はラバーでできており、アウトドアの湿地帯でも、もちろん雨の日でもOKのワイルドな雰囲気です。
LLビーンのビーンブーツかなと思いきや違いました。
ブーツ筒部分の革の厚さが尋常ではなく、ラッセルモカシンや、ゴーキーといったアウトドア系のブランドかなと思ったらなんと・・・。
コンバース。
意外すぎます。
スニーカーのイメージしかありませんでした、勉強不足ですみません(笑)。
これおそらく、LLビーンとのダブルネームなのか、定かではないですが、そういった類のものかと思われます(違ったらごめんなさい)。

で、今回このワイルドなブーツをどうするかと言うと。

この辺りから切ってしまって欲しいと言う、これまたワイルドなご要望。
ちょっと、怖いですねー。

履き口のほうには飾りのステッチが入っていたら、後ろ側に履くときに引っ張るようなループがあったり、この辺なくなってしまうと寂しいのではと心配になります。
ですが、お客様自分でハサミで切ってしまおうかと思ったと、さらにさらにワイルドな方で、それならばお受けします!ということで今回作業に入りました。
で、まず必要ない部分のシューレースの『ハトメ』を外します。
何でかと言うと。
これを外さないと、このシュータンにあたる部分が外せないからです。
この、シュータンの両脇がブーツアイレット部分に縫い付けてある仕様、これ、『ガセット・タン』なんていったりします。
普通の革靴やスニーカーのシュータンは、つま先の方だけ縫いつけてあり、場合によっては途中に靴紐を通すループがつけてあり、左右にずれにくくなったりしていますよね。
ですが、ワークブーツやこういったアウトドアブーツに関しては、タンの両脇を縫い付けることで、水や泥の浸入を防ぐようにできています。
本気ブーツのちょっとうれしいディティールですね。
まあ、普通の人にとっては、かなりどうでも良い話かもしれません(笑)。

で、この『ガセット・タン』を必要ブブンンまで取り外したら・・・・
ハサミで一気にいきます。
とはいえ、この工程いつも、二の足を踏みます。
切ったら元に戻りませんからね(苦笑。
縫うのをほどくのも、金具を外すのも、何とかなります。
ですが、さすがに革を切ったら後には戻れません。
そんな時は・・・。

「この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 
踏み出せばその一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ」

気持ちはストロングスタイルです。
元気です(笑)。

と言うわけでバスッと切ります!

と言うわけで、こんな感じで、だいぶすっきりします。
ですが、ここまでなら、お客様自分で出来てしまいます(笑)。
ですので、ここから一手間くわえます。

まずは、カタカタと飾りのステッチを再生。
そして、いったんここで手を止めて、自宅工房スペースに移動します。
 何でかと言うと、この機械が使いたかったのです。
こちら、革漉き機。
部分的に革を薄くするときに非常に便利です。
本当は店においておきたいくらいなのですが、いかんせん店が狭いのと、この機械自体大きいので設置することができませんでした(笑)。

で、どこを処理するかと言うと。
こんな感じで、履き口の部分を薄く漉きます。
切り口のほうが色が変わっているのがお分かりになりますでしょうか?
かなり分厚かった革も、切り口部分を薄くすることで、こんな感じで折り曲げることができるようになります。
ですが、この作業、一般的には革の段階で行う作業になります。
靴の形になってから、この機械に通すのは非常に危険です。
今回こちらの靴が、元々かなり『良い意味で』大雑把な作りだったのでチャレンジしました。
たとえば、婦人靴のロングブーツのような華奢な作りのものは、切り口を折り曲げず、切りっぱなしで仕上げる場合のほうが多いです。

で、場所は店に戻り・・・

折り曲げたところと後のループ部分を再生してあげると・・・

こんな感じで、すっかり生まれ変わりました。
たしかにこの方が履きやすそうですね!!
雨の日といっても、なかなかあの長さのブーツを必要とするほどのことは、この辺りで暮らしていると無いと思います(笑)。
ロゴのある後姿も男前です!!

こちらのお修理、ブーツカット7560円。
1週間程度いただきます。
上でも書きましたが、作りによっては、履き口の処理が切りっぱなしになったり、元々あるパーツが付けられないといった場合もございます。
その辺りは、実物を見ながらのご相談となりますので、ご了解ください。

ちょっと長すぎてしまって履かなくなったブーツや、イメージを変えたら履けそうな靴など、お気軽にご相談ください!!
できる限り最善を尽くします!!

それでは皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております。