2014年7月12日土曜日

靴底に穴が!!リーガル、ハーフラバーソール。

皆様こんにちは!!
西武新宿線、井荻駅の靴とバッグの修理店doekです!

井荻にこのお店を出して半年。
当店も井荻の商店街に加盟いたしました(笑)。
井荻の商店街の名前、『PONTE IOGI』(ポンテイオギ)です。
知ってましたか??ポンテです(笑)。
響きが可愛く笑ってしまいましたが、イタリア語で『橋』の意味らしいです。
井荻陸橋からでしょうか、それとも井荻の遊歩道が元々川だったという事なので、そこから連想しているのでしょうか。
以外にお洒落な感じでした(笑)。

で、早速イベントが。
納涼盆踊り大会!!
夏らしくて良いですね。
今月の24日25日の二日間、踊り狂うらしいです!
ダンシングオール・・・オールではないです、夜八時半までになります(笑)。
こちらも、みなさま是非ご参加ください。

さて。
今日ご紹介するのはこちら!!
 リーガルのローファーです。
すごく革の感じが良いです。
欲しくなりますね(笑)。
で、こちら、どうなってしまったかというと・・・。


 こんな感じで、靴底のほぼ中央に穴が開いてしまいました。
長く履いていると、どうしても磨耗していき、最終的には穴が開いてしまいます。

 横の部分も、アウトステッチが切れて、靴底が剥がれかかっています。
オールソール交換と悩まれたのですが、今回はハーフラバーを貼って穴を埋める方法ですすめます。

で、少しだけこの靴の作りについて。

 これ、靴の中の写真です。
足の当たる部分の周りにぐるっと縫った糸が見えますね。
一見すると靴の中から、靴底まで縫い付けるマッケイ縫いのように思われます。。
ですが、靴底部分を見ると、グッドイヤーウエルテッド製法のように、ウエルト部分と、靴底の革が縫われており、それが切れて剥がれかかっています。

 その段階で、ウエルト兼中底をマッケイ縫いの要領でアッパー側に縫いつけ、その中底に出し抜いをかけて靴底をとめてある、ブラックラピッドかと思い、剥がれてしまった底の中を覗いてみました。

それが、この写真。
恐らく、よっぽど靴のことを詳しい方でないとこの話、何のことやらサッパリわからないかと思うのですが、続けます(笑)。
ブラックラピッド製法ならば、中底の部分にマッケイ縫いの縫い目と、本底を縫いつけるアウトステッチの縫い目が二列並んであるはずです。
それが・・・無い。
ムムッ!?っとなりました。
そこで、改めて靴を良く見ると・・・
 ちょっと分かりづらいのですが、いまボールペンで指し示している先のところに、2枚革を重ねてある痕跡があります。
完全に見落としていました。
つまりこれは、ミッドソール入りのブラックラピッドでした。
なかなか、手の込んだことを・・・。
ちなみに図解すると。
帰って分かりにくいでしょうか・・・
靴を輪切りにしたと思ってください。
要するに、靴底に革が3枚積んであるんです。
ウエルトになる一枚目を、マッケイ縫いで縫いつけます。
で、その革に靴底2枚貼り付けて、3枚一度にアウトステッチをかけて固定している感じです。
今回は上の図解の太い矢印のところ、一番下の一枚が剥がれた形でした。

ちょっとややこしい話ですが、こういうのが面白いです(笑)。

さて。修理に戻ります。
ハーフラバーを貼って穴を埋めますが、そのままだと穴の部分だけ薄くなってしまうので、まず底を埋めます。
ついでに、つま先が削れたところも、厚さを元と同じくらいにします。

 こんな感じで、中央部分とつま先に革を強力に接着します。
 そして、グラインダーで凹凸がなくなるくらいまで削って馴らしたのがこの写真。
周りに釘が打ってあるのがお分かりになるでしょうか?アウトステッチが切れて底が剥がれてしまっていたので、接着と合わせて、短い釘でしっかりと固定します。

で、この上からハーフラバーを貼り付けます。
 これは、貼った後周りを整えているところですね。

 そして、ゴムごと周りを、ごく軽く削って仕上げるとこんな感じ。
このままだと、色が無いので、周りを染めていきます。

 こんな要領ですね。
革用のインクです。
こげ茶でなく、コイチャ。
ちょっと可愛いです、コイチャ(笑)。
 乾くとこんな感じで、綺麗にコイチャにそまりました。
このままでも悪くないのですが、若干マットな感じが否めません。
そんな時は・・・
 こんなアイテムがございます。
ベージュ色っぽいもの、これ厚手の革がぐるっと回りに突き出しているような感じです。
結構硬いです。
奥にあるのはブラシですね。

 で、スイッチを入れるとこの革が高速で回転します。
それに、靴底の周りの削った部分をバチバチバチバチ!っと押し付けると・・・
 こんな感じに平らにならされます。
上の写真に比べると、だいぶツヤも出ました。
要するに、ちょっと毛羽立ってしまった革の切り口を、叩き潰す感じです。
そこにワックスを塗ったり、ブラシで磨いたりしながら仕上げていきます。

 で、出来上がりはこんな感じ。
先ほどの話の続きになってしまいますが、これで靴底が都合4枚重なったことになります(笑)。

 もちろん、中央の穴部分、減っていたつま先部分も足してあるので厚みはしっかりと戻っております。
ちなみに、今回はカカトの修理も並行して行っていただきました。


ハーフラバーソール2138円+アタッチ(穴埋め)540円
ヒール20ミリ 2430円
合計5108円

お時間は、最短1時間程度いただきます。

アッパーの革もしっかりしており、まだまだ長くはいていただけるかと思います。
ハーフラバーなどのお修理は、繰り返し貼りなおすことが出来ます。
ハーフラバーがまた、ダメになってしまった時点でのオールソール交換も可能で。

靴の底回りは、ほとんどの場合直せます。
ぜひ、お気軽にご相談ください。

それでは皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております!!