2014年7月7日月曜日

グレンソン、ビクトリーソール!!

皆様こんにちは!
西武新宿線井荻駅の靴とバッグの修理店doekです!!

さて。
当店今年の1月7日にオープン致しましたので、無事?半年をむかえることが出来ました。
おめでとうございます。
ありがとうございます(笑)。
なんとか生きております。
これもひとえに、お客様や、ブログを読んでくださる皆様のおかげです。
心より感謝申し上げます。
引き続き皆様に、喜んでいただけるよう、少しでもお力になれるよう、精進していきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

今日は、ちょうど半年の七夕なのに、あいにくの雨になってしまいました。
天の川は見られないかもしれませんが、ちょっと嬉しいことが。
なんと、今日ご来店いただいたお客様、山形県から靴を持ってお越しいただきました。
本当に本当にありがとうございます。
こちらに遊びに来たついでに寄りました、とのことでしたが、ブログを見ていただき、わざわざ靴を一足多く荷物に入れてきていただけたかと思うと、ありがたく本当に嬉しく思います。
目一杯きれいにお直しして、お送りいたしますので、今しばらくお待ちください!!

現在当店、北は山形県、南は山口県まで、各地より送っていただいたり、直接お持込いただきながら、お修理させていただいております。
目指せ、最北端最南端と思い営業させていただいております(笑)。
配送でのお修理も承っておりますので、お気軽にご連絡ください。
よろしくお願いいたします。


感謝はいくらしても、し足りないですが、そろそろお修理のご紹介。

今日は、こちら!
 イギリスのグレンソンのスエードストレートチップになります。
写真だとどうしても良く分かりませんが、実に決めの細かいしっとりとしたスエードです。
非常に感じが良いです。
1866年創業のイギリスの老舗の名門靴メーカーかと思います。
過度な装飾はあまりないものの、実にしっかりとした作りになっております。
最近では、イギリス以外でも生産しているそうですが、近年までイギリスだけでの生産だったあたりも個人的にはテンションが上がります(笑)。

で、そんな素敵な靴がどうなってしまったかと言うと。

 写真だと正直なところあまり、分からないです。
靴底の中央部分が薄くなっており、手で触ると分かる程度にペコペコしてきてしまいました。
長く履くと、磨り減ってしまうので避けられない状態ですね。

で、今回はオーソールをご希望とのことで、靴底全体をまず外していきます。
 こんな感じで、カカト部分をグッと力を込めて外します。
写真のとおり、結構長い釘が、ドンドンドンと打ち込んであるので、そう簡単には外れません。
もちろん、簡単に外れるようでは困るのですが(笑)。

 そして、本底を外すと中はこんな感じになっていました。
体重のかかる前半分にぎっしりコルクが詰まっています。
対して力のかからない土踏まずの部分はコルクはなくシンプルな作りですね。
シャンクの形状がよく分かるかと思います。
 カカト部分は一枚の革になっています。
このあたり、メーカーによって作りは違ったりするので、面白いですが、恐らくこの面白みは、靴が好きな修理人でないと分からないと思うので割愛します(笑)。


で、ぎっしり詰まっているとはいえ表面が靴底にそって波打っていたので、コルクを足してしっかりとフラットに整えます。

そして、今回使う材料がこちら!
 正直なところ、あまり見かけないソールかと思いますが、英国製のVICTORYソールになります。
実は私、こちらの材料に関しては履いたことがありません。
ただ、今回修理してみた感じでは、しっかりとした硬さがあり、若干の粘りも感じます。
実は、この感触が割りと重要で、同じく英国製のダイナイトソールはかなり硬いのですが、今ひとつ粘りがない印象があります。
実際履いてみても、削れるのが早いです。
それに対し、イタリア製のビブラムソールに関しては、割と柔らかいです、ですが粘りが強く、磨耗に対しては強い素材の印象があります。
耐摩耗性を、数値化して調べたわけではなく、経験からくる感覚なので、絶対間違いありませんとは言えませんが、参考にしていただけたらと思います。
ビクトリーソールに関しては、ダイナイトとビブラムソールの間くらいの印象かと思います。

で、もう一点仕入れて思ったことが。
材料のカカト部分をアップにします。
まさにVICTORY!!気持ちいいくらいにしっかりと刻印してあります。
ですが、正直なところ『そこに!?』と思ってしまいました。
実際のところ、後の写真でも分かりますが、このVICTORY、かかとをつけてしまうと完全に見えなくなります(笑)。
別にロゴが大切なわけではないのですが、せっかくなら見えるところに入れれば良いのになんて思ってしまいました(笑)。

そして、靴に取り付けて、アウトステッチを入れてもらうとこんな感じになります。

あとは、外した順番に、革のつみあげを着けて、かかとのゴムを取り付けると・・・


 どん!っとこんな感じで仕上がります。
やっぱり、グッドイヤーウエルテッドと刻印されているだけに、イギリス製の靴にバチッとはまります。
案の定VICTORYロゴは完全に消えました(笑)。


これでまたしっかり履いていただくことが出来るかと思います!!
カカト部分もサイドから見ると、凹凸なくすっきりしているので、ドレスシューズにはピッタリかと思います。
そういう意味ではリッジウェイソールより、ドレスよりに使える、ナイスソールです!!

こちらのお修理、15120円いただいております。
納期が2~3週間。

もう一つ特徴を言い忘れておりました。
大変申し訳ありません、こちらラバーソールの中でもお高くお値段を設定しております。
申し訳ありません。
なぜかと言うと、こちら、材料が『え!?え?えぇぇっ!!??』って言うくらいにお高いです。
衝撃的でした。
思わず、同業他社の友人たちにも聞いたところ、使ったことがないのでわからないけど、たかっ!という回答でした(苦笑。
それでも他社様に比べいくらかお安く設定したつもりではあります。

これぞ!という勝負靴をラバーソールに替えたいと言うときは是非ご相談ください!!
格好良いですし、実用的にも使いやすいと思いますよ!!


ビクトリーといえば、あの人はいま・・・

『この場所へ、心が導いてくれた、明日の場所へ心が導いてくれる。
諦めるな、君は心も意思も強い。
ブートキャンプが君をタフにする。
みんなに愛を贈るよ。
一緒に万歳を・・・
3・2・1VICTORY!!!

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それでは皆様のご来店、心よりお待ち申し上げております。